研究計画書を書くのはどの人も慣れないもの。
社会人の仕事は知識の探求のみならず、知っていることでも進めていくことが中心の人もいるでしょう。
研究のように分からないことへ小さな何かを足していくことばかりではありません。
だからこそ、「研究計画書」という大層な名前で迫られても何を書いていいか分かりません。
また、専門知識に自信がある人ばかりでもないです。
実務で税法にしっかりと触れている人もいれば、一般論点に触れていることが多い人も。
では、社会人入試では知識以外のどの点をアピールできる可能性があるでしょう。
経歴と絡めた問題意識
社会人が一般の学生と大きく違うのは、働いた経験があることです。
働いた経験から来る問題意識は、別の人と比べられない観点が含まれます。
働く上ことは学ぶことではありません。
人によって大した経験を得ていないと悲観することがあるやもしれません。
でも、長時間働いた気持ちと論文の方向性を絡めることがあなたらしさを作ります。
どうしてこの研究を私はしたいのか。
湧き出ずる研究への源泉はどこから来るのか。
モチベーションの一つに、社会人としての経験を理由にできます。
直接的に実務で経験していなくても、
- 「XXを不合理と感じた」
- 「実務書に沿って理由は分からないが手順通り処理した」
- 「調査している中で通常XXと処理することが当然となっている」
などなど、既成概念への疑問を感じる場面はどこかしらあるでしょう。
それほど、大掛かりでなくても、日々の小さな疑問から計画書のタネを見つけて経歴に絡めます。
後々の面接でも活きてきます。
ちなみに、あまりネタがない人へ、所得税の論点を勧めるのは、実務経験がなくても社会人経験上来る日々の疑問が所得税で存在するからです。
論文作成の基本姿勢があるか(先行研究を調査しているか)
方向性が決まった後、必ず先行研究に当たります。
論文作成で当然のこの姿勢ですが、計画書段階でも先行研究に当たっているか、見られるところです。
論文作成への基本姿勢になるからです。
空想の産物で論理を進めていないかどうかを見られます。
また、租税法は案外と多くの人がたくさんの論点を埋め尽くしている伝統ある分野です。
先行研究が全くない研究を素人が思いつくことはあまりありません。
先行研究がないのは、論文として成立しない分野かもしれません。
ここは専門知識でなく、入学後の姿勢のアピールにつながります。
論文の論理展開
論文の論理展開がスムーズかは専門知識以外のアピールです。
租税法も法律ですから、法的三段論法を基本に作成します。
法的三段論法とは、
- 大前提(条文解釈)
- 小前提(具体例)
- 結論(税法適用の結果)
です。
例えば
- 大前提:法人税22条の各事業年度の所得の金額の計算方法
- 小前提:適用事例の整理
- 結論:法人税法上の解釈
のように、論理展開されます。
法的三段論法以外にも、前後の文章や論点がしっかりと触れられているか、研究計画書の段階でも、構成に光るものを入れてアピールしたいところです。
資料を整理する力(量)
研究計画書の段階で論文を作成する必要はないのですが、たくさんの資料に当たることはアピールになります。
時間がない人は資料にたくさん当たる時間もありません。
それでももちろん合格する人はいます。
が、もし他の人と差別化したければ資料をたくさん当たっていることをアピールしておきましょう。
論文は、本文ではなく参考資料や引用資料の質と量をみることで判断できるという教授もいます。
資料の量を充実させることで内容を光らせられます。
資料を深く理解する力(質)
資料理解の質を高めましょう。
例えば、判例(裁判の結果)を調べることです。
租税法の研究において判例を調べることは多いですが、意外に研究計画書の段階で当たっている人はいません。
裁判内容を読むことは特殊に感じますので、なかなか敷居が高いからでしょう。
しかし、判例の原文を読めば、裁判の結果だけではなくなぜその結論に至ったか書いてあります。
しかも判例には裁判官の少数意見を書いていることも。
一方的な決めつけで裁判の結果が出ていない。
また、結果はこうなったが社会通念上は反対の意図もあるなど、論点を明示してくれていることもあります。
迷った場合は、資料理解の度合いをあげてみましょう。
研究計画書を面接で説明する力
研究計画書は提出して終わりでなく、必ず面接で内容を聞かれます。
内容がしっかりしていることも大切ですが、内容をスッキリ説明できることも同じく大切です。
説明する力は、社会人をしていれば多くの場面で養えます。
専門の事柄でなくても仕事で内容を誰かに説明をすることは多いはず。
説明することを前提に研究計画書は仕上げましょう。
書いて終わりではなく、書いたものを説明する場面が必ず来ます。
まとめと盗用への注意
専門知識で引け目がある人は意外に多いです。
そういった人でも、専門知識以外に研究計画書でアピールできる点はたくさんあります。
知識がある人が入試に通るのではなく、研究の姿勢や基本的な能力が備わっているかも判断材料です。
また、近年は研究計画書の代筆(添削)のサービスや指導があるため、研究計画書を本当にあなた自身で書いたかも教授は気になります。
見抜いて選ばないといけない立場にいる人に見てもらうという前提をしっかりと理解して研究計画書を書いてみましょう。
【編集後記】
子どもをよく抱くのでニットの服が痛みます。
それほど来ていないのですが、毛玉だらけになってました。
まあ、役に立てばいいので、それほど気にしないです。
【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO
【昨日のはじめて】
家でアップルパイ焼く
【昨日の子育日記】
家族で外に食事です。
食べ終わってしまうと、子どもはやることがないのでお碗にご飯をよそったり近くを駆けたりしてました。
大人は話したりのんびり食べたりとあるかもしれませんが、確かに子どもは暇ですよね。