AIにおける面接について、禁止をしている地域があります。
一方で日本ではあまりそういう話を聞きません。
おそらくは、法令で禁止する動きが日本で出ることはないのです。
しかし、人事はそもそもに立ち返って採用する際にどんな対象が必要なのかを設定しておく大切さに、改めて直面するでしょう。
アメリカイリノイ州のAI面接禁止法令
AIにおける面接を禁止しているのはアメリカのイリノイ州です。
参考全文 (原文リンク)
EMPLOYMENT
(820 ILCS 42/) Artificial Intelligence Video Interview Act.
(820 ILCS 42/1)
Sec. 1. Short title. This Act may be cited as the Artificial Intelligence Video Interview Act.
(Source: P.A. 101-260, eff. 1-1-20.)(820 ILCS 42/5) Sec. 5. Disclosure of the use of artificial intelligence analysis. An employer that asks applicants to record video interviews and uses an artificial intelligence analysis of the applicant-submitted videos shall do all of the following when considering applicants for positions based in Illinois before asking applicants to submit video interviews: (1) Notify each applicant before the interview that
artificial intelligence may be used to analyze the applicant’s video interview and consider the applicant’s fitness for the position.
(2) Provide each applicant with information beforethe interview explaining how the artificial intelligence works and what general types of characteristics it uses to evaluate applicants.
(3) Obtain, before the interview, consent from theapplicant to be evaluated by the artificial intelligence program as described in the information provided.
An employer may not use artificial intelligence to evaluate applicants who have not consented to the use of artificial intelligence analysis.
(Source: P.A. 101-260, eff. 1-1-20.)(820 ILCS 42/10) Sec. 10. Sharing videos limited. An employer may not share applicant videos, except with persons whose expertise or technology is necessary in order to evaluate an applicant's fitness for a position.
(Source: P.A. 101-260, eff. 1-1-20.)
(820 ILCS 42/15) Sec. 15. Destruction of videos. Upon request from the applicant, employers, within 30 days after receipt of the request, must delete an applicant's interviews and instruct any other persons who received copies of the applicant video interviews to also delete the videos, including all electronically generated backup copies. Any other such person shall comply with the employer's instructions.
(Source: P.A. 101-260, eff. 1-1-20.)
(820 ILCS 42/20) Sec. 20. Report of demographic data. (a) An employer that relies solely upon an artificial intelligence analysis of a video interview to determine whether an applicant will be selected for an in-person interview must collect and report the following demographic data: (1) the race and ethnicity of applicants who are
and are not afforded the opportunity for an in-person interview after the use of artificial intelligence analysis; and
(2) the race and ethnicity of applicants who arehired.
(b) The demographic data collected under subsection (a) must be reported to the Department of Commerce and Economic Opportunity annually by December 31. The report shall include the data collected in the 12-month period ending on November 30 preceding the filing of the report.
(c) The Department must analyze the data reported and report to the Governor and General Assembly by July 1 of each year whether the data discloses a racial bias in the use of artificial intelligence.
(Source: P.A. 102-47, eff. 1-1-22.)
AIビデオ面接法を取る場合に以下を求めています。
個別に見ていきます。
ビデオ面接の必要性の通知
面接前に各応募者に対して、AIビデオ面接を分析し、職位に対する適性を考慮することがあるということの通知を求めています。
評価の対象の通知
面接前に応募者に、AIがどのように、どんな一般的な特性を使用して応募者を評価するかを説明することを求めています。
同意
面接前に、AIプログラムによる評価を受けることへの同意を応募者から得る必要があります。
同意がない場合、雇用主は、AI面接を使用してはならないこととなっています。
ビデオ共有の制限
応募者の適性を評価するために必要な専門知識や技術を持つ者を除き、雇用主は応募者のビデオを共有してはならないことを求めています。
ビデオの破棄
応募者からの要請があった場合、雇用主は要請を受けてから30日以内に応募者の面接ビデオを削除し、応募者ビデオ面接のコピーを受け取った他の全ての者にもビデオを削除するよう指示する必要があります。
全ての電子的に生成されたバックアップコピーも含まれる点と、その他の者は雇用主の指示に従わなければならない点に注意が必要です。
人口統計データの報告。
収集したデータの報告義務があります。
内容は、AI面接をした後の通過者と人種の情報、採用された人種の情報です。
これは、毎年12月31日までに商務経済機会省に対してで、同省は、毎年7月1日までに知事に人種偏見があるかを報告することになっています。
日本での報告はここまで無い
ここまでの報告義務を日本で課すことはないでしょう。
されても難しいでしょう。
もちろん、人種や人権の問題が日本でも大切なのですが。
AI面接使用に反対の検討として
AI面接に対しての一般的な反対意見を見て問題点を考えてみます。
差別的だという論調
採用、通過者に対して、男女の偏り、人種による偏りが発生することが言われます。
どんな対象が合格するかに偏りが出るかは、トレーニングした内容によって表に出てくるでしょう。
AI面接がこういった傾向を公平に排除できないので使用するべきでないという主張です。
基準開示の限界
AIの裏側の開示を求めてくることがありますが、その内容を理解できるでしょうか。
重み付けのデータやプログラミングについて閲覧したとしてもそれを理解できないことが多いはずです。
また、そもそも技術内容をおいそれと開示できるのでしょうか。
できないので、AI面接を使用するべきでないという話があります。
応募者が少ない可能性
そもそも何のために使用するのでしょうか。
面接官になる人がいないのでしょうか。
あるいは人手不足でしょうか。
日本の中小企業の中途採用の現場を見ると、それほど多くの応募者であふれかえっていません。
良い人は、他の企業との競りになり、AI面接の同意を取る前に他社に取られます。
AI面接への賛成の論調として
日本でAI面接を推し進めているのは、大手企業と私は理解しています。
応募者が多く、採用活動自体が大変だからです。
企業の広報活動の一環として意味付けをしていますが、労働力の削減を目的に導入をしたい大手企業は多いでしょう。
大手企業にとって
大量すぎる採用者を弾くのに、労働力としてAI面接を使いたいという話は聞きます。
また、エントリーシートなどの文章で判断する場合にも人手を使うよりだいぶ楽になるでしょう。
人口減を考えれば、仕事の効率化としてAI面接を使いたいというニーズがあるのは当然でしょう。
偏りは多い
人が面接官をしたとしても、その採用結果に偏りが出てきます。
AIを利用しなければすべて解決するわけではありません。
もともと、偏りや偏見、好みが出やすいのが面接です。
使っても使わなくても偏りが出るのであれば、ことさらAI面接だけを禁止する理由が薄くなります。
対象者の定義づけに時間を割く結果に至る
AI面接を使うにせよ使わないにせよ、一番問題になるのは対象者の定義づけです。
なぜ、その採用をするのですか?
この問に答えられないと、AI面接をした結果のばらつきを正しいものといえません。
また、AI面接をしないとしても、その対象が本当にいい人材か判断できません。
採用現場では、なんとなく人が足りないから採ってくれという需要の出方が多いです。
その結果に対して、人事は掘り下げて対象者の定義づけをしていく必要があります。
この仕事において、関係者とのコミュニケーションが必要です。
人事採用をする人が時間を割いていかないといけない定義づけです。
目的にもよりますが、企業側も採用される側も意識をしておきたい点です。
【編集後記】
ブラックフライデーで買った機器の設置。
モニターを減らしてデスクトップの配置を変えてみました。
【運動記録】
ストレッチ○ ジム○
【子育て日記(6歳・3歳)】
下の子が童謡のおもちゃを持ってくるので、一緒に踊っていました。
こういうのが好きな年代ですね。
翌朝も踊っていたので、よっぽど気に入ったようです。