税法は一般の人に端切れが悪いと感じられるでしょう。
大きな原因は、公平性と簡便性。
「人と人とを平等に」と「かんたんさ」の対立です。
この対立が端切れの悪さを生みます。
「人と人とを平等に」を求めるため
「人と人とを平等に」はかなり難しいです。
人として生まれると、保障される権利があります。
権利の対立対立として義務がある。
その義務のひとつが納税でしょう。
「じゃあ、ひとり10万円納めてください」というのが平等でしょうか。
いわゆる人頭税。
この評判はすこぶる悪いです。
生きていて払えないので、この世を去るケースもありました。
課税側にとってみるととてもわかりやすい税なのですが。
主流は、払えるチカラに応じた納税です。
担税力といいますね。
払えるチカラに応じてが、多くの人に納得感が出るから、ひとり一票持っているこの社会で主流となっているのでしょう。
資産家の方からは反対の意見を耳にすることが多い感じがします。
「かんたんさ」も求めているが
「かんたんさ」も合わせて求められています。
給料が200,000円の人、201,001円の人・・・などと定義していくと、払うチカラに応じて公平さを出すと、計算が面倒です。
現実はここまで細切れではありません。
それでも、税金のご質問を受ければ、細かいし条件も多いので、悩ましい話を伺います。
「かんたんさ」は求められる一方で、現在の税法で全体としては、実現していない感じです。
「人と人とを平等に」と「かんたんさ」の端切れの悪さ
「人と人とを平等に」と「かんたんさ」が対立関係にあることは、税法でも認識されています。
その上で、「かんたんさ」よりも「人と人とを平等に」を強く求めているのだと考えます。
条件分岐、前提分岐が多くなり、どんどん歯切れが悪くなります。
端切れが悪いのは、公平に努めようとする裏返しというのが、おおまかな理解です。
この辺りを上手に伝えられるかどうかが、税法に関係するひとりの役割かなと考えます。