総務部のようなバックオフィス部門は会社の根幹ですが、その分変わりにくい部署です。
その理由を考えてみます。
組織によって当てはまらないものもあるでしょうが。
理由
全体最適化≠個人最適化
一人の最適化が全体の最適化につながらないことが一つの原因です。
会社がバックオフィス部門とすれば、一人ががんばってもその一部だけががんばっている感じ。
他の人にとってみると、がんばられると自分にも仕事が来てしまうこともあります。
変化しても全体への影響が見えにくい
全体が良くなっても実感できないことが多いです。
雰囲気が良くなっても定量的に示せません。
営業部門全体の売上が上がる、技術部門で共有している見積もりの工数が減る、のようになりにくいです。
変化を想像できない人が多い
顧客と直接関わらない部門の場合、反応をストレートにもらえない→変化を想像しにくい状態になります。
社内の人たちとは密接にかかわることが多く、外部とはその人達を通して通じて知ります。
変化が起こっても、少し遠いところで起こっている話と感じてしまいます。
部員が変化を嫌う
バックオフィス部門は、繰返しの仕事が多いので同じことをすることに慣れてきます。
逆に、変化することが嫌になってきます。
その期間が長ければ長いほど。
長くいる方で腰が重い方は、長期のルーティーンに耐えている副作用かもしれません。
職責の垣根がしっかりしている
バックオフィス部門の削減は著しく、一つの仕事に対して複数の担当者がつく企業は全体から見るとそれほど多くないです。
自分の職責が定まっているので、その範囲で仕事をします。
その範囲を超えることをしにくくなってきます。
結果として、別の仕事をしている人の内容に踏み込みにくくなります。
仕事のやり方の歴史がある
昔のやり方にはなぜか権威が出てきます。
昔と同じやり方をしていること=間違っていないとの判断になり、同じことを繰り返すことが正しいとなってきます。
変えること=間違うこととどこかで感じるかもしれません。
外部と違い替えがきかない
外部業者は替えがききますが、内部部門は替えがききません。
業務委託をしている会社の動きが悪ければ、その委託先を変えるという選択肢があります。
でも、内部部門であれば別の部門に頼むという選択肢はあまりありません。
変わらない内部部門は、替えられるプレッシャーもインセンティブも感じません。
改革のポイント
では、どうやって改革をしていきましょう。
ヒントになるところをまとめます。
急かない・一度の提案失敗しても機会はある
変化を起こすことはとても力いることです。
提案する方にとって一大プロジェクトなのでパワーも必要です。
一発で決めたい、すぐに成果を出したいという誘引に駆られるでしょうが、急がないようにしましょう。
急ぐことでタイミングを外してしまうとうまくいきません。
また、一度失敗しても、実はどこかで同じことを検討するチャンスは出てきます。
チャンスは一度でもありません。
日々、虎視眈々と変える機会を伺いましょう。
できるところから取り組む
役員の興味や社会の情勢によって、風向きがいいときが出てきますので、できるところから取り組みましょう。
例えば、ウェブ会議。
今では当然ですが、コロナの前にも、個人的に何度も提案をし、何度も否定をされていました。
しかし、コロナが始まった瞬間に提案を突っ込んだら、すっと通りました。
結果として、他社よりも平均より早めにウェブ会議の導入完了ができています。
提出せずとも仮提案書は作れる
気になったときに仮提案書を作っておくと、導入のタイミングを取りやすいです。
なにかあってから見積もりをとったりメリットの比較をするとどうしても時間がかかります。
提出する宛がなくても、自分の課題として調査をしておくことはオススメです。
提案までいかなくても、別の課題を見つけることができます。
気持ちの共有
いわゆる根回しです。
あまりいい響きではありませんが、長期的に仕事を一緒にするバックオフィス部門にとって、最低限でいいので根回しは必要なのかなと。
課題感の共有と表現して実行すると、やりやすいかも。
小さく試す
いきなり全部変えるのはやめましょう。
失敗すると後戻りができなくなる状況は、上の人は怖いはず。
小さく試します。
承認システムの導入を例にすれば、全社的に導入はせずに、一部の稟議だけを新しいシステムで試してみます。
1年もしないうちに、慣れてきますし、安全性の認識を持ってもらえます。
そこから、少しずつ範囲を広げていきましょう。
要望をもらう
営業部など、他の部門からバックオフィス部門への要望をもらいましょう。
社内の他部署からの圧力を上手に利用して、バックオフィス部門に変化のモチベーションを持ってもらいます。
もし、権限のある役員に強く言ってもらうことができると、同様の強い効果が出せます。
不完全なところがあってもいい
100%バックオフィスの課題を解決できている会社はありません。
バックオフィス部門は家の仕事に似ています。
良くはなりますが、完璧にはならないのです。
キッチン周りを改装したとしても、どこか不便と感じるところは出てきます。
どこかの設備もほころんできます。
バックオフィスの仕事も似ています。
しなやかな気持ちを保とう
提案するあなたはとても、力強くかっこいいです。
バックオフィス部門の改革は楽しいのですが、苦労も多いのが正直なところ。
だから、わかる人から見れば一大プロジェクトに立ち向かっていると理解できます。
このプロジェクトは長期に渡るはずです。
はっきりした終わりが見えない課題も山積しています。
気持ちが折れないように、上手に休みをとりながら、しなやかに続けましょう。
【編集後記】
とあるインタビューを初めて受けました。
見方が異なるインタビューをされるのは、新鮮でした。
お役に立てるよう変わった見方を提示するようにも努めましたが、自然体の方を求められていたらはずしちゃったかもです。。
【運動記録】
ジョギング○ ストレッチ○ 筋トレ○
【子育て日記(3歳)】
おもちゃの箱を一緒に捨てまくりました。
なんとなく保管してしまったものなので、息子と二人で分解したり、つぶしたり、運んだりを繰り返します。
作業に慣れてきて、いい助手をしてくれました。