RPAでのホワイトカラーの効率化が、生産性の向上にとても有効です。
しかし、それは、業務の一部を他の会社にビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)として丸ごと委託しているような企業が今のところ前提です。どの支店でも同じような流れで事務仕事をしていれば、一支店で自動化したことを他の店舗にも応用できる。
では、支店がないか、あるいは数箇所しかないような中小企業はどうでしょう。こういった企業は、「働き方改革」のようなおふれだけで導入に至るのは難しいです。
RPAは大きな組織では流行っていますが、中小企業への導入というのは思ったほど進まないでしょう。
導入コストは、ライセンス費、導入時のコンサル費、導入の際の社内労務費など。これらが合わなければ導入に至らない。
そして、外部コストが安くなって導入しようというときに、今度は導入の社内労務費をかけられなかったりそもそも人がいない可能性も。
雑務と呼ばれる仕事に経営層はどれだけ目を向けてくれるのか、向けてくれるとしたらどんな点を費用として考えるべきかみてみましょう。
経営層が雑務をRPAにする意味を見いだせるか
事務仕事を効率化する手段は、RPAの他にいくらでもあります。皆さんになじみ深いエクセルマクロもそうです。
しかし、連なりとして見なければ、これらの事務仕事は雑務の集合体程度とカテゴリー化されてるもの。効率化をしようという対象ではありません。
その瞬間に滞りなくこなせればいいのです。
雑務は基本的に事務職が行います。
この言い方は、事務職をバカにしているわけではありません。私も事務職の一人です。
一般的に、事務職は費用面だけでいえば短大卒がいいです。学歴給与が成立している今の社会では、それだけで費用が安くすみます。
しかし、短大卒は少しずつ減り続けます。大卒の人もこなしてくれますが、給与面での圧迫が強いです。
新卒の短大卒ではなく、中高年の人を中途で雇って事務をさせられるか。それも選択肢です。
ただ、カルチャーを維持する観点もあり、なかなか雇えません。
安い事務労働力がある程度手に入るのであれば、「RPAで事務負担を削減しよう」というのは、壮大すぎて見合わない。
しかし、採用やその維持コストを算定に入れていない場合があります。
採用もしかり、人の維持コストも含めると、RPAは見合う可能性が出てきます。
RPAコストと比較するのは採用コスト+人件費コスト
大きな企業であればBPOコストとの比較
大きな企業であれば、RPAコストと比較するのはビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)のコストです。
他の企業に委託しているものをどのように安くするかです。
BPOから自社内に仕事を内製するようにする。
または、BPOをしている企業に導入をさせて、導入によるコスト削減の一部をフィーとして与えることでモチベーションにさせる方法です。
中小企業は採用コストや人件費
外部に委託していない中小企業であれば、比較するのは採用コストや人件費(維持費)でしょう。内部であん分的にコスト計算していなければ見えにくい点ですが。
そして、最近の採用コストは上がってきています。また、一人の人が定着するための背策を実行できない企業においては、費用計算の算定基礎が高くなります。
つまり、RPAの導入により費用削減しやすくなっているということです。
そして一番必要な目線は、個人の自己実現です。
自己実現、キャリアコストのためのRPA
一昔前まで何の疑問も持たずにしてもらっていた単純作業。今は、キャリア形成のために不要なものと思われています。
雑務をいくら積んでも目的のものに達しない。あるいは、達すると思われないのです。
だから、雑務を進んでしてくれる人を見つけられない。
雑務を人がやるメインの仕事にしてしまうと、キャリア形成感覚を阻害したり、長期の雇用から人が去っていくことにつながります。
考える仕事、創造性の高い仕事。もっと言えば人間がしないといけない仕事をしている感覚を従業員に与えることがキャリアを続けてもらうために必要な考え方です。
だから、RPA導入コストが高くついても、採用への将来投資と考えて導入する中小企業が増えていくべきでしょう。
コスト削減のための投資ではなく、未来への投資です。この観点があれば中小企業がRPAで仕事効率化をしようというコスト意識に目を向けやすいです。
一つのRPA導入の足がかりとしてみてみてください。
【編集後記】
新居での、工事の際の糊材がなかなか取れません。こういうのはシンナーで磨くといいんですね。気が付いて実行して、やっとキレイになりました。
【昨日のはじめて】
濃厚たまごのカスタードシュークリーム
【子どもと昨日】
アデノウィルスが発見されて二日目。今日も高熱が出続けました。
体力があるうちはそれでもなんとか遊んでいるのですが、鼻水も固まってくれば苦しいし、食も進みません。
帰ってきて会うと、玄関で待っててくれました。
心細かったようで、すぐに「ねんねする」と。すぐに寝ました。
時間日薬ですね。こちらもうつりかけですが、予防しつつ耐えます。