修士論文の質において、長いほどいいという俗説があります。
例えば、
「4万字あった方がいい、
いや、4万字ではない、倍の8万字だ」とか。
「脚注が多い方がいい、
資料をたくさん参照している論文の方が
質が高い論文だ」とか。
文字数が多ければ表現される情報量が増えるので、
質が高い可能性も考えられます。
租税資料館賞の入選論文は応募の際の上限文字数がなく、
かなりの長文のもので、たくさん調べているのも目にするので
長い方がいい、資料が多い方がいい、と感じるのは当然かもしれませn。
もちろん、長くて良い論文もたくさんあります。
ただ、分量が多いことが論文の質を担保する必須の要素ではありません。
分量がなかなか書けない方向けに、
分量と論文の質の決定についてまとめてみます。
分量へのとらわれ
論文の分量が多いかどうかで、論文の質が変わるというのは、
論文を書いている人が執筆中によく感じる気がします。
私も今となって振り返れば、分量を多くすることに
こだわる理由はなかったなぁと。
論がまとまっていない今くらいの時期に、
下書きの段階で7万字くらいを書いてみましたが、
結果的に長いものを書けば
論理を収束させたり方向性を絞ったりするのに
多くの時間を割くことになりました。
発散と収束が創造性の鍵と考えれば
悪くはないのでしょうが、
長文を書くのが必須の要素ではないなと
改めて反省をします。
大学が分量を認めてくれるか
今となって、分量を決めることの一番の要素は
大学がその分量を修士論文として認めてくれるかどうかです。
例えば、「4万字を修士論文の最低限度」として
4万字を超えているものであれば認める大学なら、
7万字であっても10万字であっても認めてくれます。
一方で、「4万字前後を修士論文の分量」としている
大学であれば、4万字のプラスマイナス10%、
36,000字〜44,000字くらいを目安にしているといえます。
また、もう一つは、脚注もこの文字数に入れるのかどうかです。
個人的には、脚注も文字数に入れる基準なのかなと。
これは、日税研究賞の字数カウントの方法になっています。
ただ、その詳細は大学次第でしょう。
指定がなければ、どちらでいいと取れます。
でも、執筆の要項などに文字数の上限や脚注の字数カウントについて
何かしらの言及があれば、それが絶対ルールになっているはずです。
必要最低限の分量なのか
大学の方針に従う方が原則なのでしょうが
「分量を適度にとどめておけるならとどめる」というのが、
調べた限りのマジョリティな意見です。
特に法学の論文は判例やら法令の書き方によって
無限といえるほど分量が伸びがちです。
ポイントを絞って、言及する部分、
省く部分、しっかりとメリハリをつけることが
原則的な方針です。
税法論文が、一番に近いくらい形式やら何やら
うるさい気がします。
なお、繰り返しになりますが
必要な判例であれば、分量がどれだけ多くなろうとも
大学が認めてくれるのなら、盛り込むべきでしょう。
でも、修士過程は社会人に開かれていて
アカデミック100%な論文だけでなく、
アカデミックと実務を上手に織り交ぜた分野も多く見られます。
そういった分野は、指導教員の理解を得た上で
上手に自分の書きたいものを書くといいかなと。
新書を10万字と考えれば、修士論文はその半分以上の
分量を書くものです。
その時点の自分の集大成なので、(認めてくれる前提を置いた上で)
書きたいものがあれば、ガンガン書いてほしいとも
論文校正をしていてアドバイスすることがあります。
なお、税法免除には分量と注の基準が存在する
色々と書きましたが、論文は査読されるので
ひとりよがりでは決められません。
だから、認めてもらえるという前提を満たす必要が多いです。
満たすのなら、後は自分が考える長さで書くこととなります。
ただ、税法免除を狙う方は、指導教員にその分量を
きちんと確認しておいた方がいいでしょう。
表立っているかはおいておいて、
税法論文によって審査される場合は分量の基準目安があります。
おそらく、指導教員が最初にその量を提示してくれることが多いですし、
明示されなくても指導上でそこを満たすように
アドバイスをしたり校正をしたりするのではないでしょうか。
まとめとして
今回は、分量が書けない方向けに分量についてまとめてみました。
書けない方は上記のように、分量が質を絶対的に決定する要因では
ないということを意識してもらうと気が楽です。
(分量が書ける方は、その力を活かした書き方をするといいですが。)
執筆が進まない方は、気休めに頭の片隅に置いていただければうれしいです。
【編集後記】
Macbook Airの輝度が急に上がるのでたまに違和感があります。
複数画面を見比べていると輝度が高くなったことに気づく感じです。
ちょくちょく調整しますが、うまい具合で
とまるようにしたいなぁと。
【運動記録】
ストレッチ○ 筋トレ○
【子育て日記(4歳・0歳)】
とある畑でカエルやらヘビやらが見つかると
聞きました。そのうち行こうねと長男に言うと、
「きょういく?」と。
めっちゃ気が早いですね。
早めに挑戦したいです。