男性の育児休業制度の見直しが入りましたね。
育休が取りやすくなることはいいことですし、これまで
女性側ばかりにしごとを休ませる圧力が強いことも否めません。
男性がまとまった休みが取れるのは
家事への参加度合いを上げるのにいいのでしょうか、
別の選択肢として、日々家事に参加してほしいという
女性側の意見も存在するでしょう。
であれば、共働きを前提として
保育園の送迎が毎日の家事の一環として出てきます。
フレックスタイムで対応できる会社ばかりではありませんから
ひとつの意見として、
今回の改正であてがわれる休みの期間において
保育園の送迎のために出社時刻を繰り下げることは可能か、
考えてみます。
保育園送迎問題
保育園への送迎をどうするかという問題は
共働きの夫婦につきまといます。
9時から開始の会社などであれば
こういった状態が出にくいのですが、
8時半以前に開始する場合は、この問題が出てきます。
例えば、8時半からの就業の場合で、
保育園から会社までの1時間10分かかるとします。
7時から保育園が預けられる場合もありますが、
7時半が一番最初という場合もあります。
そして、多くの保育園が、「開園時刻以前には
預けに来ないでください」というおふれ書きをしています。
なにか問題があったら大変ですし、
送迎関連で保育園の周りに住んでいる方から
クレームが発生する場合もありますのでおふれ書きもさもありなんです。
話を戻して、仮に、7時半から保育園が開始する場合、
1時間10分の通勤時間では、8時半の開始の会社だと間に合いません。
図で示すとこうですね。
結果として、どちらか片方が柔軟を迫られて
送り迎えの専業になっていきます。
そして、この専業が女性側になることが多いのではないか
という疑問から今回のブログの話題としております。
改正であてがわれる時間と出社時刻繰下げ比較
では、ここで改正育児休業制度で割り当てられる休みの時間を
毎日の就業から差し引くとどれくらいの期間になるか
考えてみましょう。
「出産日から8週間の間に、4週間の育休を取得できる仕組み」
ですから、
週に40時間働いていると仮定すると、
4週間の休みは160時間(9600分)に当たります。
15分遅く出勤していいとすれば、
640日分です。
年間の日数の幅が241日-265日程度と見込んで、
2.4年~2.6年くらいに当たります。
生まれたばかりで接したい時期に4週間取るのと
2-3年程度保育園への送り迎えができるようになるのと
パートナーはどちらを望むでしょうか。
わかっている人には当たり前でも、知らない人の断絶を感じる
保育園の送迎の問題は、
毎日のことであり負担感も大きいです。
でも、経営層の方と話すと意外と盲点になっています。
その方自身、あまり送り迎えをしていない可能性があります。
送り迎えするしないは、家の中の話なので好きに分担して
もらえばいいですが、そういった問題があることを意識して
子育てをしている従業員の話を聞けるかは、
経営層に子育ての理解があるかどうかを問う課題です。
「待遇を改善してほしい」、「何かをしてほしい」とは
子育てをしている方々は主張せずに、
なんとか努力しようという方の方が多い印象です。
でも、理解を話を聞いてもらえるかどうかで
組織から理解されているかの印象は大きく変わります。
子どもが熱を出す可能性もあるし、
朝の用意だって大人と同じく時間通りにピッタリは
できないことも考えられます。
生かさず殺さずを設定される親
また、改正育児休業制度を毎日の送り迎えに
当てられないかという制度の他に、
組織や社会は親に対して楽をするなというメッセージを
発していることもたまに感じます。
「そんなことまでしたら親が楽でしょう」
というのは、制度設計上で避けられている気がします。
余裕はギリギリまで持たせないような設計をしている
組織は多いかなと。
15分の勤務時間負担は企業負担と考えれば
当然の動きかもしれませんが。
少し変わった制度設計の参考に
今回の法律改正部分は、「法律」なので
有無なく従う部分です。
でも、労務制度の設計としては
今回出したような勤務時間を融通する制度を
会社が提示してくれるのを
「安心」と感じてくれる従業員もいるはずです。
福利厚生を重視する働き手が多い中、
他と違う制度を提示するなら
誰もやっていないことが目立ちます。
適用や設計においては細かな注意を置くとしても、
制度設計などを考えている方の
なにかの参考になればうれしいです。
【編集後記】
「剣と魔法の税金対策」では、
税理士は「幻の職種」と形容されていました。
ポジティブなのか、皮肉なのか。
面白い表現に受け取りました。
【運動記録】
ストレッチ○ 筋トレ○
【子育て日記(4歳・0歳)】
一緒にヤッターマンを観ました。
子どもに流行るツボを押さえているのか、
上手ですね。面白かったです。