税理士試験における、Markさんの活動での消費税の
不適切問題を拝見いたしました。
このうち二つ目の問題で保険料がどこ区間に
対してかけられているか不明瞭なのが
不適切な問題という指摘。
確かにその通りとも感じる一方で、
貿易をしていた方は解けたのではないでしょうか。
保険料の倉庫間約款の説明と不適切問題の話を
まとめてみます。
不適切問題と指摘があった内容のおさらい
保険料が国内の保険料なのか海外の保険料なのかが
不明なため、非課税資産の輸出取引等の計算で
国外移送として算入する金額が不明瞭だというご指摘です。
<問題指示>
(前略)甲社が当該パソコンを海外支店に輸出するために支出した費用は、次のとおりである。
①パソコン本体の購入費用 1,000,000円
②通関業者に支払った輸出に関する通関費用 150,000円
③保険料 50,000円F11ページ【その他の付記事項】
<不適切な点>
上記問題指示の中にある保険料について貨物船への積込み前と積込み後のどちらに要したものか分からない。そのため解答要求事項の課税売上割合につき一意の解答を導き出す事ができず不適切である。
(1)貨物積み込み前(国内輸送)の保険料であれば、
FOB価格に保険料が含まれます。
その場合、課税売上割合の計算上
1,000,00,+150,000+50,000=1,200,000が
国外輸送のFOB価格として課税売上割合の
分子に加算されます。
反対に、(2)貨物積み込み後(国外輸送)の保険料であれば、
FOB価格に保険料が含まれません。
1,000,00,+150,000=1,150,000が上記で加算する金額です。
(1)(2)のどちらにも取れるので、消費税法の試験が
問題文から解くのに不明瞭だというご指摘です。
保険料の倉庫間約款
税理士試験の学習だけ解くと上記のポイントは
その通りだと感じます。
しかし、貿易の場合は通常倉庫間約款があります。
仕出地側から仕向地側の倉庫に着くまでの間も
延長保証される条項です。
図示するとこんな感じです。
この考えを知っていると保険料が
貨物積み込み前の保険料である可能性は
だいぶと低くなります。
通常、海外保険だけで全てをまかなえるので、
国内の保険を付保するのは 輸送商品が
億単位するくらい高い場合になるからです。
緑部分の保険をかけただけで、オレンジ部分の
保険も延長約款で付保できます。
だから、オレンジ部分だけの保険と考えるのは不自然です。
また、本体価格から保険料の金額相場感でみると、
(1)国内保険だとするよりも(2)海外保険だと
した方が、合っています。
それでも、かなり割高な保険料なので、
実務感はちょっと薄れますが。
模範解答の内容は(2)海外保険とすることになっています。
問題文だけで解ける必要があれば不適切
大原でもネットスクールでも★マークになっていて
解けなくても合否に影響がない判定です。
貿易の知識が消費税法に入るのかは、
文意からは読み取れませんでした。
素直に考えれば入らないと考えるでしょう。
その意味では不適切でしょう。
一方で、他分野の前提知識があると
解きやすくなる税法も多いことから、
私にとってはそれほど不適切に
感じなかった問題でした。
今年の試験案内を見ましたが、
各税法がその範囲をしっかり限定
している訳でもありませんでした。
その意味では題意から外れていることもないかと。
ただ、受験生側として納得できない人が
多いやもしれませんが。
予備校の内容では足りませんので、★印。
実務知識で微妙に補える問題でした。
その道からの情報を追加させていただきました。
【編集後記】
子どもが体調を崩して先ほどまで夜診に行きました。
早く良くなってほしいです。
【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO
【昨日のはじめて】
子どもと農機具見学
【昨日の子育日記(2歳)】
田んぼや農園を見に行きました。
風が強く吹くだけでも楽しいみたいで、
緑に囲まれながら、アメンボやらカエルやらを
一緒に探して遊びました。