都市に住む選択肢としてのコートハウスと西澤文隆

コートハウス論

家は通風と採光が必要です。開けたり閉めたりで風や光を入れるのです。しかし、都市に住む場合には風や光を通すということはプライバシーの問題が出て来ます。

プライバシーを守った上で通風と採光を得ようと考えると、コートハウスに行き着きます。おしゃれな戸建住宅の本でよく聞くコートハウス。提唱は西澤文隆さんです。

コートハウス論

 

もくじ

コートハウスの概念

「更地の外周を周壁(塀)や住居で囲いつくし、中にコートを囲いこんんでいる住居をコートハウスと呼ぶ」とあります。

日本はもとより海外でもプライバシーを守りつつ家の住居を作りたいという工夫があり、それをまとめています。

メリット

  • 通風が取れる
  • 採光の改善
  • 都市における家のプライバシーの確保

現代の人にとってプライバシーは最も大切といって良い点です。他の人から見えない庭があったらどうでしょうか。気候のいい季節にそこに椅子を持ってきて珈琲を飲めるくつろぎの場があったら住み心地があがりす。

外界と内側の間の塀自体を居住空間とし、その居住空間によって庭を囲うことで通風・採光・プライバシーをカバーする最良の方法として、コートハウスがおすすめです。

デメリット

  • 敷地面積の割に庭が大きい
  • 居住スペースを圧迫する
  • 建築費が増える

コートハウスを建設した人であれば、家の割に庭のサイズが大きなことに驚くでしょう。

都会に住むからプライバシーが気になる。都会に住むから通風や採光を工夫する。ということは、地価がそこそこ張る場所に土地を買ったり持っている場合が多いでしょう。

地価が高いのに居住空間ではなく単なる庭に空間を割くのは、かなりストレスです。庭にすると言っても壁で囲みます。壁があるということは基礎や壁の仕上げが必要です。居室空間を作るよりは安いとしても、囲みを作って終わりの庭よりだいぶ費用がかかるのです。

 

また、「都市に住む」ために最適なコートハウスですが、都市の地価は高いです。そもそも土地を広大に購入できるのであればコートハウスみたいなものでなく、プライバシーが取れるくらい隣地との境を空け、外壁を見えにくくするだけでもよくないでしょうか。

この高い地価の土地に、居住空間以外のスペースとして思い切って使えますか?2坪分の庭として、坪単価が仮に100万円なら、200万円+建築費を単なる空間に払うのです。駐車もできません。空間は気持ちいいのですが、書斎にも倉庫にもなりません。

こういった費用は初期構想で気にならなくても、予算を考えるうちにどんどん気になります。

また、自分自身が納得してもパートナーや家族の同意をしっかり取る必要があります。

英語では Court Yard Houseで検索

Court Houseは和製英語のようで、検索すると裁判所が多く出てきます。

英語で近い画像や概念を検索するときはCourt Yard Houseで調べましょう。ただ、外国の画像検索をした場合、土地が広大にある前提で設計をしている建物が多いため、あまり参考にならないことが多いです。

 

コートハウスの立面化

庭に大きな面積を取られるということは、残った狭い面積での居住空間の割付の工夫が大切になってきます。コートハウスのコストとの調整や、立面化した際の広がりの工夫ができる設計士や工務店に依頼をしましょう。

初めて住宅を建てる場合、設計士はみんな同じように見えます。誰でも同じと思って始めても実際は違います。コンペなどで複数の設計士のアイディアを選べる場もありますので、そういったところから選んでみましょう。

 

戸建住宅は奇抜になりすぎないように

コンペや写真でコートハウスを選んでみると、奇抜なものや綺麗なものに目が行きがちです。しかし、実際に生活する場となるのですから便利さ、安全性(地震など)、断熱性能、などの通常機能を高めることの方が重要です。

十分に選んだ後は、自分の熱を冷まして奇抜さを抜いても満足できないか改めて考えるようにしましょう。

コートハウスにするだけで、少数派の建築方法になりえます。

 

【編集後記】
雨の日ですが、家の配置変更です。子どもの手の届く範囲が増えてきたため、腰より低い場所の本や書類を少しずつ避難させています。

【昨日のはじめて】
はっさく大福

【子どもと昨日】
一月前を考えるとハイハイも形ばかりで遅かったです。今をみると、パパッと移動します。著しく成長が観れる時期なのでしょう。今日はいろんなものを舐めてました^^;

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