ワークショップとは何でしょうか。多義的な言葉です。アカデミック寄りの話題もあります。しかし、アカデミック寄りだと抽象化されていて、実際に集まって使うときにあまり役に立ちません。逆に個人の体験に落とし込みすぎた回答は、「意見」でしかないものもあります。
普段のセミナーや催しで協働の面白さを意識できるように、ワークショップの定義とすぐに使えそうなポイントを考えてみましょう。
ワークショップの定義 ・使われる場所
定義
ワークショップの定義は広辞苑(第6版, 2008)によれば、「所定の議題についての事前研究の結果を持ち寄って、討論を重ねる形の研究会」とあります。
米国で違う考えを持つ人達が他者を理解し合意形成する社会構成主義を背景に、1930年代の現職教育で教員が学校での問題点に納得解を作っていたことに起因しています。
また、中野民夫氏よれば、「学びや創造、問題解決やトレーニングの手法」であり、ワークショップを通して何を実現するのかが大切と記述してます。
使われる場
ワークショップは、いろいろなところで使用をされています。簡単に出るところをあげつらってみると、こんな感じでしょうか。
- 教育現場
- アート(演劇・美術・音楽・工芸・ダンス)
- 精神修養(自己成長・心理学・癒し)
- 社会変革
- 自然環境
- まちづくり
- ビジネス(ディスカッションやコミュニケーション)
区分は「ワークショップー新しい学びと創造の場ー」中野民夫著を参考にしました。
使われる場から理解してみる
ワークショップの専門家として何かを理解したいという人より、自分の専門性を持っていてその中にワークショップ的な要素をどのように組み込みたいか考えたいニーズの方が多いでしょう。
定義を考えてみても、分かったような分からないような。
ですから、「使われる場」から考察する方がワークショップ的な手法の利用方法が想像しやすいでしょう。
専門家のワークショップ利用手法の一例として
ビジネスの現場で専門家が講演をすることはたくさんあります。この場合は、単なる経験というより、専門家の知識の提供や習得とセットになる場合がほとんどでしょう。
この中にワークショップの要素を入れるとすれば、一つは他者理解(=自己理解)。もう一つは、合意形成の場を作ってみることです。
例えば、上司が部下を励ます態度を劇風に示してみせることがありました。これを聞いて、やる気になる人とげんなりした人と、分かれます。
文章で表すと当然のように見えますが、被験者としては、これでやる気が出るの?(出ないの?)と一意に感じる表現でした。
人によって理解が全然違うことを理解し、他者と自分を区別する。しいては自分を理解することにつながり、学びの効果が高まります。
他者との違いを軸にして社会を理解する。その上で専門知識を取り入れて行くと、学びが腑に落ちるのです。
ちなみに、合意形成は同意形成とは違うことは、別の記事で書きました。
ワークショップの前提条件
上記の他者理解・合意形成は、苅宿俊文氏が提唱するワークショップの前提条件です。苅宿氏曰く、『ワークショップの前提条件を「コミュニティ作り、他者理解(=自己理解)、合意形成、これらの練習」』と設定しています。
ワークショップ的な要素を取り入れたいときの参考にしてみてください。
【編集後記】
facebookとの連携を始めてみました。少しずつ全体を整えていきます。
【昨日のはじめて】
とらや 吉事の雪
【子どもと昨日】
つかまり立ちをしたりハイハイをしたり。いずれの時もよく顔を布団やクッションに埋めながら始めるので、ほっぺたがちょっとがさついてます。荒れないように保湿と油分の補います。化粧水を塗られるのはなぜか嫌みたいですけど。