インコタームズ®️2010からインコタームズ®️2020への改定予定

インコタームズ®️2010からインコタームズ®️2020への改定予定が近づいています。
まだ、正式発表の段階ではございません。
でも、改正動向を知っておくことは役に立ちます。

先取りしてインコタームズ®️2020の改定ポイントをつかみましょう。

 

2019年9月9日 インコタームズ®️2020が正式発表になりました。
こちらもまとめておりますので、後ほどご覧ください。
インコタームズ®️2020発表 2分類11ルール [2010との変更点対比表あり]

*飛行場にて

もくじ

インコタームズ®️2020の最新ニュース

インコタームズ®️とは

新しく出ても費用確認は必要、簿記と同じで実務から生まれた慣習法です。
インコタームズ®️は、国際商工会議所(International Chamber of Commerce=ICC)がまとめております。

インコタームズ®️の改定は10年ごと、インコタームズ2020の改定に向けた動き

インコタームズ®️は10年毎に改定されます。

インコタームズ®️2020の編纂の流れは以下の通りです((https://iccwbo.org/media-wall/news-speeches/icc-prepares-launch-incoterms-2020/))。

  • 2016年から草案作成
    • 世界中の専門家9名(アジア3名、アメリカ2名、ヨーロッパ4名)で作成
    • インコタームズ®️を使用する4ユーザーと5つの法人顧問弁護士を想定して作成
  • ICCの委員会により提供された3000以上の意見を考慮して議論
  • 会議は2017年4月・10月(@北京)、2018年5月(@ロンドン)で開催
  • 2016年7月から2018年9月までに編さん委員会は12回会議を開いている
ですので、2018年5月に開かれている会議の内容が今のところ(2019年4月)最新の内容になっています。

インコタームズ®️はいつ発行されるか

2020年の1月からと思いきや、国際商工会議所のオフィシャル発表では、2020年の後半に発行されると出ています。

オフィシャルで、2020年の後半と2019年4月に発表していることから、こちらを有力と考えます。

インコタームズ®️2020の改定ポイントと理由

改正のポイントとして

改正の目的は

  • ルールを作り変えてもっと単純化することが目標
  • 不要・余分な言葉をのぞいて、混乱させないようにする。
  • 英語以外の言語にも対応
  • 一部地域のルールに対応した修正はされない(以下が例示)
    • 付加価値税
    • 関税同盟
    • VGM(Verified Gross Mass=コンテナ総重量)

新しいインコタームズ®️:CNI

新しいCNI(Cost aNd Insurance)が提案されています。
商品代金+海上保険代金です。

CIFの要素分解をした方が理解しやすいでしょう。

  • C(Cost)=商品代金
  • I(Insurance)=海上保険
  • F(Freight)=国際輸送費

CIFが上記の複合とすれば、CNIはCとIの複合です。
FCAとCFRのギャップの橋渡しの解決に繋がります。

具体的にCNIは、売り手や輸出者に海上保険の義務を、買手に輸送のリスクを課します。
輸送費用を輸入者側が一環的に負担するようになっている傾向からの見直しと推測します。

 

Ex Works(EXW)、FASとDDPがなくなる

CNIが加えられるのと同時に、工業会にとってFCAがより妥当になります。
そして、Ex Works(EXW)は不足しているとの指摘が出ます。

EXWは、国内取引として考えられ、国際取引を規定するインコタームズ®️からは除かれる方向のようです。

FASはあまり使われないインコタームズ®️です。
こちらも代わりのインコタームズ®️が検討されてます。

DDPについて、それをなくす代わりに、関税支払いを明確にしたインコタームズ®️を加えるようになる可能性があります。

  • DTP (Delivered at Terminal Paid):買手側の国のターミナルに商品が届いたら、売手は関税を支払う
  • DPP (Delivered at Place Paid): 商品が買手側のターミナル以外に着いた時に、売手は関税を支払う(つまりは、買手の国のターミナルに着いた際の関税は支払わない)

FOBとCIFの変更が予定されている

FOB(Free on Board)とCIF(Cost Insurance and Freight)のコンテナ輸送への適応変更が考えられます。

国際的にもよく理解されて古くから長く使われきたインコタームズ®️です。
そのため、内容のあいまいさも多分に含んでいます。

これらは、本線の欄干を越えた時点でのリスク移転になる。
しかし、コンテナ輸送などのバンニングを考えると指定倉庫から欄干までのリスクを負担できていない。

インコタームズ®️2010では、このリスクの空白に対応するためにFCA、CPT、CIPを推奨してきています。
しかし、実際はFOBやCFR、CIFの方が馴染み深い方は、これらの古いインコタームズ®️を使い続けています。

ここへの対応をするための改正検討をしています。

また、以下に例示される細かい費用については定義をしていないため、これらを織り込んだ内容にしてくる可能性もあります。

  • 買手と売手の間での、保険責任(全期間)の所有
  • CIFで供給者の巧妙な取り扱いに推奨される罰則
  • 供給側の隠された利益に対する重大な投資
  • CIF見積もりでの、コンテナハンドリング費用(仕向港に到着したコンテナをコンテナヤードの所定場所まで運ぶAdditional Chargeのことである)の付加

FOB、CIP、CIFにこの辺りの変化が起きると思われます。

 

FCAの拡大

FCA(Free Carrier)の適応拡大が考えられます。

日本では多くないのですが、国際取引では40%程度がこのtermで扱われているようです。
だからこその拡大。

ちなみに、陸上でのFCAと海上でのFCAと2つに分かれる可能性もあります。

 

サイバーセキュリティへの取り組み

サイバーセキュリティに対する取り組みに対する新しいデジタル化の方法を国際商工会議所が入れる可能性があります。

サイバー攻撃の例でいえば、下記のものがあげられます。

  • 日付の削除
  • データ破損Corruption of Data
  • データ窃盗
  • 財務情報窃盗

 

 

まとめとして

結局は発表されるまでは、はっきりしないというところです。

また、新しいインコタームズ®️が発表されても古いものが両社で使い続けられることがあります。
インコタームズ®️2010のときもそうでした。

取引の経緯があったり両社の納得があれば、とりあえずは問題にならないからです。
新しいタームに変わっても、しっかりと各々の取引内容を理解して、取引を進めることが大切ですね。

Brexitでもインコタームズはリスク回避で出てきますね。

参考

【編集後記】
まだまだ春休みのにぎわいを感じる場所がありますね。

【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO

【昨日のはじめて】
きこりの切り株 ほろ苦カカオ

【昨日の子育日記】
スーパーでイチゴが格安で売っていたので、思わず買いました。
イチゴを食べられて、とてもご満悦な様子です。

もくじ