しばらく前に、少量のお酒も
身体に悪いという統計結果が
発表されています。
いまだに少量のお酒は身体にいいと
考えている人も多いでしょう。
結論が根本から変わったというより、
統計量からどのようにバイオスを
除いていくのかの難しさがあります。
また、最近流行っている因果推計を
どう考えるかによって
この理解も変わってくるでしょう。
統計値からバイアスを取り除く難しさを
このお酒と健康の因果関係の通説から
見つめ直してみます。
少量でもお酒が身体に悪いとなったのはなぜか
もともと少量の飲酒が身体に
いいと考えられていたのは、
「Jカーブ」と呼ばれる統計結果からです。
アルコール健康医学協会のページには
こちらのグラフが掲載されています。
ある程度の飲酒量は健康になるとの結果です。
しかし、近年の研究はこの統計に二つの
疑問を投げかけます。
一つ目は、Jカーブと呼ばれるリスクは
特定の病気のみの結果であり、他の
病気については単純に飲酒がリスク増に
なる結果が観測されていることです。
もう一つは、東洋経済に津川 友介さん(カリフォルニア大学
ロサンゼルス校(UCLA)助教授)が寄稿している内容です。
アルコールで脳梗塞や心筋梗塞のリスクが下がっている(因果関係)のか、アルコールを飲んでいる人が脳梗塞や心筋梗塞のリスクが低いだけなのか(相関関係)なのかはわかっていないということである。
ランセット紙上の結果も引用した内容です。
因果推計と相関関係の区別は
とても難しいことの現れに見えます。
統計値の扱いは難しい
近年の研究は、少量の飲酒も身体に
悪いという結果になっています。
このことは、こういった統計値の
処理の仕方は他の分野でも見られるでしょう。
また、数値を解釈に当て込むことも
かなり難しいところです。
Jカーブのように実験結果が
キレイなカーブを本当に描くのか。
どこかで実験者の解釈的な誤謬が
含まれていないと言い切れません。
相関関係を因果推計と考える
間違いも多いです。
因果推計として実験するには、
統計的に似たグループを
別の統計手法によってグルーピングし、
その比較によって因果関係を
明らかにすることが一つの方法です。
このグルーピング時にも
人の解釈が入り込む余地が大きいことが
指摘できます。
デジタルより紙が優れている?
この因果推計と相関関係が取違されて
解釈されているだろうことは、
デジタルと紙の優位性にも言えるでしょう。
会社などのデジタル推進の際には、
誤字を見つける場合のデジタル画面と
紙上の認識では、紙上の方が見つけやすいという
論調をよく見かけます。
しかし、これまでの学校教育において
デジタルネイティブで学んできた人は
圧倒的に少ないでしょう。
紙とペンを使って学んで慣れている人が
大多数です。
手法としての慣れを前提に組み込まずに
単純方法として比較しても、
当然紙で確認した方がいいという
結果になるでしょう。
もう十数年すると、結論が変わってくる
事項になることが予測されます。
世の中の常識は少し変わること
統計値で出すと、真実に見えます。
それぞれの思い込みで話しているのとは
訳が違う。間違っていない。
そういう証明に見えるでしょう。
でも、よく言われるように
数字は平気で嘘をつきます。
難しい事象の証明は
人の解釈が複雑に入り込んできます。
世の中の常識は少し変わってきます。
そう認識しながら行動する方が、
実は科学的な態度なのかもしれませんね。
【編集後記】
アニメの秒速5センチメートルは、
別の結末に向けての続きを書いて
ほしいです。と考えていたら、漫画版は
少し違った解釈で書かれているようですね。
【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO
【一日一新】
秒速5センチメートル
【子育日記(2歳)】
一緒に秒速5センチメートルを見ました。
電車の風景が多かったし、雪や鳥も出てきていて、
違和感はあまりなかったようです。