採用試験が難しい企業があります。一方で、試験の難易度がそれほど高くない企業もあります。試験をのレベルをあげても入社する人の質は上がりません。むしろ試験のレベルが高い(適切でない)場合入ってほしい人をふるい落としてしまう可能性があります。
採用試験の難易度設定
採用試験の難易度はどのあたりに設定をするべきでしょうか。
それは会社が人を選べるかどうかによってきます。人を選べる会社は難易度が高くても人が入りたいと考えて寄ってきてくれます。そういう意味で、高くても大丈夫です。しかし、選択肢が狭まります。
採用試験が難しいと内定者が減る
採用試験が難しい場合、内定者が減ります。単純に、10人の応募者がいるとしましょう。難しい筆記試験は2割の人しか通りません。反対に、大まかな物差しの筆記試験は8割の人が通過すると仮定します。面接は2割の人が通過するとすると
- 難しい筆記試験の場合
- 10人応募
- 2人通過・面接
- 内定者0人
- 優しい筆記試験の場合
- 10人応募
- 8人通過・面接
- 1−2人面接合格=内定
こんな感じとなります。上流工程で絞りを利かせると内定者が減る結果となります。
採用試験のレベルをあげても内定者のレベルは上がらない
加えて、採用試験のレベルをあげても内定者のレベルは上がりません。
40−50代以上の経営者は、受験の難易度が高い世代のせいか、採用試験のレベルをあげたがる人がいました。採用試験が難しくても、その場で学生がフィードバックを得るわけではありません。フィードバックを得られなければ、改善はありません。
その場限り、答えの分からない試験を解答して終わる状況となり、採用試験のレベルを上げても内定者のレベルは上がりません。
むしろ、時代の求めるべき能力を考えれば下がります。
時代の差による求めるべき能力値
今はたくさんの物事を処理できる能力を昔ほど、求められなくなりました。コンピュータが代わってくれるからです。
高度経済成長と呼ばれる時代は、答えが決まっている時代です。
(A)ものを作れば売れる
→ものを時間あたりにたくさん作れるようにする
→売上が上がる
こんな図式なので、処理能力が高い人が求められていました。
今は、
(B)ものをたくさん作っても売れるかは分からない
→どんなものをたくさん作るかの発想が必要
(A)(B)のどちらの能力が必要でしょうか。(A)の能力だけでは、売れるものが作れないことから、革新を進めて売れる製品を作りたい経営者は(B)の人を採用したいと考えるでしょう。
つまり、(A)のような、筆記試験で測られるだけの人を積極的に探す必要がないのです。
能力を因数分解することで採れる確度が上がる
能力を因数分解し、その能力を測るための試験をしましょう。オッカムのカミソリのように重複せずに的確な採用フローを用意することが大切です。
採用は、応募者も面接者も工数がかかります。「試験をすること」が目的ではなく「短時間で採用まで行き着くこと」が目的となってきます。
だから、採用試験の難易度を上げるのは意味のないことなのです。
【編集後記】
高校の友人と集まって近況を報告しました。気のいい人ばかりなので、気持ちの充電にもなりました。
【昨日のはじめて】
関とら本店 ふぐ
極上黒松剣菱 1升
【子どもと昨日】
高校の友人が来てます。子どもと楽しく遊んでくれました。最初は少し様子を伺っていましたが、すぐに気にしなくなって一緒です。人見知りはほとんどありません。
子どもが人に良くしてもらえるのがとても嬉しいです。その分、自分も相手の子どもにのために何かできることを心がけたいと感じます。