欲望の増殖化が満足を生み出す一方、諦めないという不安が出てくる

科学の発展により諦める範囲が一昔前より狭まってきています。死なないことは叶わなくても、それに近しいことがいずれ可能になります。この、叶うことと引き換えに、諦めることが難しくなってきています。叶うことが増えるのは基本良いことでしょうが、気持ちの整理をつける観点からはマイナスです。できることとできないことの境界線が曖昧になることで、欲望との折り合いがつけにくくなってしまいます。

 

人と時計

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子どもとドリー

クローン羊のドリーの話が出て来たのは1997年。よく考えるとそれから既に20年が経過していますね。

ドリーが話題にのぼって、アメリカの研究機関にその翌日に問い合わせがありました。「女性同士の子どもはいつできますか」と。

 

一昔前であれば、叶わなかったことが叶う技術がどんどんせまってきます。

夢にも思わなかったことが実現できるのです。人の欲望が叶うこと。人が幸せになる素地として素晴らしいことです。

 

諦めないという不安

しかし、全く叶わなかったことが実現できるのと引き換えに、諦めにくくなりました。少し待てば叶うかもしれない。もう一つ技術ができれば実現できるかもしれない。

技術の革新で新しいことができるのは大変よいことですが、同時に諦めないという不安が現れます。

新しい可能性が諦められなくなる。それは、気持ちの整理をつけるためにとても難しい前提です。

不安の増殖

諦められないと、それは不安につながります。どこまで気持ちを諦め、どこからまだ頑張ってみようか考えること。叶うことが増えると決められなくなってしまう。どこまでを諦めてどこからを諦めないかを考えることがとても難しいです。

だからこそ、気持ちの切り替え、自分の気持ちの整理や可能性を諦めることの境界線を自分でしっかり区切る必要があります。可能性を否定するわけではありません。不安としっかり向き合い、時に目をそらしながらも、折り合いをつける必要があります。若い自分や望んでいることが大きいとき、特にそうです。

そんなときは少しだけ諦めと努力の境界線を見直して見てください。

 

【編集後記】
すき焼きを食べました。冬に鍋をつつくがとてもあたたかく美味しいですね。

【昨日のはじめて】
きこの旨ダレ納豆

【子どもと昨日】
私のカバンが好きです。革の手触りがいいのか、金具の光具合がいいのか、はたまたジッパーの突起が気になるのか。つかまり立ちできるので、カバンに寄りかかってしたり顔です。

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