不利益の平等意識

わたしはいいけど、あなたはダメというのは、どこまで通るのでしょう。

上下関係がある組織などで許されている場面をそこそこ見かけます。
この場合は、一方が利益を得ている状態です。

逆にみんな不利益を得ているのにひとりだけ受けない場合も不満がたまります。
わたしも不利益を受けたのだから、あなたも不利益を受けるべきだと考えることがあるでしょう。

マスクや世代間倫理に関することは、利益の平等性よりも不利益の平等性に近く、修正が難しいです。
組織運営をしている中でも、同様の状態が出てくることがあり、一如に足ると考えます。

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不利益の公平とマスク、日本人意識

マスクをつけることはみなさんは最近どうでしょう。

暑くなってきて、熱中症のリスクもあります。
街中ではマスクを外している人も見かけます。
でも、まだマスクをしている人が圧倒的に多いですよね。

周りからの見えないプレッシャーがあるかもしれません。
この見えないプレッシャーの正体は、不利益の平等性なのかと考えます。

つまり、「わたしが困ったのだから、あなただけ困らないのはおかしい」という論理です。
平等を好むので、誰かだけ困らないという状態に対して、日本ではうるさい気がします。

もちろん、顔を隠せるという安心感があり、実は着用を好意的に感じている人がいる場面もみかけるときがあります。
というのも、インタビューで出ている人で、ひとりで離隔距離を取れる場面であっても、マスクをしっかりと見に付けている状態を目にするので。

不利益ばかりではない側面がちょっとあります。
それでも、普段外したい場面でマスクをつけてしまうのは、不利益の平等意識の側面が強いと考えます。

世代間論理として

世代間倫理においても同様に問題になります。

環境への負担について、将来世帯におしつけてはいけない。
国の借金も将来にまわしてはいけないと。

でも、将来の教育に対する投資への反対意見は、自分にはない優遇を別の人に与えないでほしいという点で見られます。

大学教育を無償にしてはどうかという議論を例にします。
Aさんは、奨学金をもらって働きながらやっと大学を卒業している。
Bさんの世代なって、大学は無償になった。
これを手放しでよろこぶのか、国から大学に対する隠れた補助だと批判してつぶすのか。

教育投資にメリットがあるかどうかの議論はさておいて、こういった、高待遇を受けられなかったひとの不満意識から、待遇改善につなげられない状態を見かけます。

転換点を見出す難しさ

平等化どうかはとても大切なところです。
それは、現在の人らの間だけではなく、現在と将来の人を比べることも出てきます。

どちらの場合においても、優遇されないことへの不満が日本では大きいもの。
上手な転換点を見出したり、移行する方法をうまくするなど、工夫が必要だと感じる点です。

組織運営においても、気にしたいところです。

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