能力開発とアイデンティティの形成は、どこかでつながっています。
例えば、英語。
英語を学ぶというのであれば、英語自体を学んでいきます。
ただ、英語を主として学ぶ場所のインターナショナルスクールであれば、比較的文化的にも多様な環境になります。
能力を高めるだけでなく、アイデンティティの形成にも影響をしていきます。
英語とアイデンティティはこのようなはっきりした関係性が見やすいです。
でも、こういった関係性は、他の分野でも存在します。
ファーストキャリアで何を選ぶかも、これと似ています。
営業か非営業か
最初のしごとが営業か非営業かによってその方向性が変わってきます。
営業は、売るという側面に加えてお客さんの代弁者になるという傾向を持ちます。
そうすると組織の中にいながら、お客さんの論理を代わりに伝える役割を持ちます。
この傾向が少ないしごとをしている人は、組織内の論理を強く反映します。
外の目線を強く持つのか中の目線を強く持つのかという違いです。
外の目線を意識すれば、次のしごとに移ったとしても、多角的なバランスを考慮するでしょう。
一方、逆であれば内部の論理を強く持つべき部署で重用されます。
間違いに対する姿勢
間違いを許してくれる組織かどうかで、ミスのチェック度が変わってきます。
後のしごとにも引き継がれやすいものです。
スピードの要求値とトレードオフになっている傾向があります。
素早くこなさなければならないしごとであれば、チェックは続けるとしてもある程度で折り合いをつけて出すことになります。
時間の制限がないしごとはないにせよ、キツめのしごとであれば、折り合いがさっとつくようになります。
逆にほとんど成果物への期限の縛りがないようなしごとであれば、間違いをどれだけなくせるかの勝負になっている場合も散見します。
いつ出してもらってもいい、でも、出したらチクチク正確性をチェックされると。
最初に所属した組織で時間的制約や間違いに対する姿勢によりその後のしごとのアイデンティティに影響が出てきます。
会社の規模や力関係による違い
会社の規模によっても、しごとの立ち位置が変わってきます。
規模は比較的力と比例をし、力関係が強くなる。
上の立ち位置で交渉をしていることが多ければ、しごとの立ち位置もそこが基準になってきます。
転職などして、上と下と両方を経験することでバランスが取れるでしょう。
ただ、最初の立ち位置が基本的なしごとの進め方に大きく影響をすることは否めません。
良し悪しではなく、傾向として
どんな立ち位置でしごとのアイデンティティを持っているのかに良し悪しはありません。
今持っているものが、自分にとってかけがえのないものです。
ただ、もし、最初からしごとのアイデンティティにファーストキャリアが影響するとわかっていれば、しごとの選び方が変わってくる人もいるでしょう。
アイデンティティの上下はなく傾向であるという前提を持ちつつも、どういった自分のアイデンティティを持ちたいかで、これからの方はファーストキャリアを選びたいものです。
また、転職や事業展開であっても同様の意識で、新しく学ぶ気持ちを持ちたいです。