インコタームズのFOBは海上輸送のみに適用されるのでしょうか。
答えは、理論的には海上輸送のみです。
実務として、航空でするのをまれに見たことがあります。
略語を紐解いて、その意味をまとめてみます。
FOBはOn Boardさせるのが基本
FOB(free on board)の定義から確認しましょう。
on boardというところを取ると、「船(board)に載せる」となります。
freeは自由です。
「on boardになると自由になる」=「船に載せるまでの輸送費や通関費用を負担する」という意味になります。
船に載せることが入っているので、ここから考えれば原則として船に載せないFOBはありえないです。
海上輸送にしか本当に使わないのか
しかし、実務でFOBを航空に使うのを見たことがあります。
私が積極的に使ったのではなく、見積り依頼で。
日本から外の輸送費は持つので、FOB KIX(関西空港)にしてくれという見積り依頼でした。
言っていることは通じましたので、きちんと相手に合わせた見積もりをしました。
いくらかやり取りをした後にFCAに切り替えをしています。
見積もりをしたときはインコタームズ2000が出ていたときです。
インコタームズ2020まで出てきてしまっている今では、なかなか同じ状況はないでしょうから、積極的には使わないでくださいね。
ここで言いたかったのは、FOB KIXでも何をしてほしいか理解できるということです。
買主「空港までの輸送費と通関費は持ってね、それ以降は払うから」、ということです。
インコタームズが正しいことは社内的には重要でも変に誇示してもお客さんとの関係によくありません。
上手に御せることが大切です。
インコタームズは、2者間が納得すれば少し違っていても使える
商法で大切なのは、2者間の合意があることを優先して合意事項にするということです。
インコタームズの(実務的な)運用も同じです。
FOBとFCAは厳密には違います。
厳密には違うのですが、気にならない方も一定数いるでしょう。
無視して出すことは可能です。
倉庫までの危険負担と欄干越えの危険負担の差を注釈として書いておいたり、FCAのことを上記でFOBと規定することもできます。
2者間の合意として、反故にはなりません。
裁判になれば負ける
契約として成り立ちはしますが、裁判になると負けます。
契約でしっかりと記載されていないことを国際的な商取引では保護してもらえません。
できる限りのリスクをなくしていくことが国際ビジネスの基本です。
わざわざ紛らわしいインコタームズを使うこと避けましょう。
インコタームズは海上と航空と分けてきちんと説明されている中で、今混同する方はあまりイないはず。
組織内でもおかしなインコタームズは否定されるでしょうし、法務部や経理部からもおかしいと指摘されるところです。
同じく使えなくはないのですが、依頼側としては正しいインコタームズにしましょう。
そして、依頼された際には、何を求めているかをきちんと理解して、FCAなど適切なインコタームズに直して見積もりするのがいいですね。
【編集後記】
法人設立の準備をしています。
意外と決めごとは多いのですね。
前向きなことなので、悩むのも楽しみと感じます。
【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO
【一日一新】
とある会社調査
【子育て日記(2歳)】
寝る前の遊びをしているときにたまたま出た「おしりぱーんち」がツボに入ったようで、こっちがやるたびに爆笑してくれます。
「やったった!」という自信になりました。
でも、その分、寝かしつけてもなかなか寝ませんでした。。。