税法論文の学術論文において、歴史をどう扱うかは好みが分かれます。
最終的に教授が認めてくれればどのような書き方でもいいというのが結論でしょう。
でも、どのラインを認めてくれるのかでは、法学概念を軸としたまとめ方を意識するといいでしょう。
好みもあるでしょうが、歴史をまとめるときに気をつけるべき点をまとめてみます。
歴史は法学概念でまとめよう
税法の論文において背景を書かなければならないときに、歴史を書くことがあるでしょう。
このとき、事象ではなく法学概念を軸にまとめると、きれいにまとまります。
また、その後の議論も進めやすくなります。
歴史を他の学問として事実を軸としてまとめると、なにか的はずれになってしまいます。
下記の事象を例にしてみます。
(A、B、Cは法学概念の発生とします。)
- 1970年、Aが起きた
- 1986年、Bが起きた
- 1990年、A’が起きた
- 1995年、Cが起きた
- (以下略)
歴史について、およその等間隔で並べる必要があるのでしょうか。
また、事象が発生していないと等間隔で並べることもできません。
年代を軸にするのをやめてみましょう。
とすると、
- Aが、1970年、1990年
- Bが、1986年
- Cが、1995年
と整理できます。
実際はもっと複雑になるかもしれませんが、A~Cが概念として浮き彫りにできれば、その後の議論に進めやすくなるでしょう。
そもそも歴史を書かなければならないか
税法論文で、歴史を書く場面に至った場合に、本当にその歴史パートが必要なのか、確認をするとよいです。
必要なら問題はありません。
必要だという意味は、その後の議論において使われる概念の紹介がされているということです。
言い捨てであれば、わざわざここであげつらう必要性が少なくなります。
あるいは、言及をしたとしても、脚注にそれらの概念を羅列して紹介する程度で足りるかもしれません。
実務書であったり、歴史上の事象から振り返ろうという立ち場であれば、歴史は重要でしょう。
でも、法学概念の場合には優先度が下がることがあります。
特に4万字前後にどれだけ指導教員がこだわるかもポイントです。
あまりに長いものは受け付けないという場合に、歴史を書いてしまうと字数が足りません。
8万字に満たないくらいでも受け付けてくれる大学院もある一方で、やはり4万字くらいだという大学院もあります。
字数制限への厳しさも判断の基準です。
修士論文になると、網羅的にさらうよりも必要な部分を過不足なくさらっているかが評価されます。
細かく記述することで、論旨があさっての方向に行かないでしょうか。
一番言いたいことに対して役立つ内容を提示していますでしょうか。
もしこれらの問に自信を持って回答できなければ、思い切って短くするかバッサリ切り捨てると論がきれいになります。
精細さが必ず美しいわけではない
バッサリ切り捨てることを書きましたが、とてもつらいです。
学んだことはどうしても全て書きたいです。
せっかく調べたのだから、誰かに見てもらいたいです。
努力したのはわかります。
でも、出さないことが評価につながる努力が存在します。
絵を描く際の精細さを例に考えてみましょう。
女性のシワをどこまで写実的に描きますでしょうか。
見えているからといって、毛穴まで描きますでしょうか。
もちろんそんなことは、しないでしょう。
シワを嫌った時代もあり、シワができるポージングを排除した画家もいます。
全てを描くことが良い絵を描くことにつながらない例です。
論文も同様です。
全てを描くことは、写実的ではあっても、キレイに見えない(論理が通りにくくなる)ことがあり得ます。
また、かなり調べている方々にとって、4万字の論文は短歌を書いているかの如く短いです。
かなりつめつめにしてやっとその字数に収まることもよくあります。
まとめとして
税法論文で歴史をどうまとめるかは好みが分かれるところです。
指導教員が、事象の羅列でいいとするのであれば、もちろんそれで構わないです。
でも、事象の羅列を認めてくれない、あるいは、自分で納得いかない場合、そもそも歴史を書く必要性があるかに立ち戻りましょう。
その後使わなければ、書く必要性がない部分かもしれません。
また、書くにしても端的に述べられないか、法学概念を主軸としてまとめられないかを考えると、キレイに作れます。
字数が足りない方、うまく法学の議論に進めない方、歴史が嫌いな方など、まとめ方の参考にしてみてください。
【編集後記】
来年入社の内定者と面談です。
純粋なキャリアの相談については、自社に偏ることなくその人のためになるように心がけて回答しています。
【運動記録】
ストレッチ○ 筋トレ○ サプリ○
【子育て日記(3歳・0歳)】
公園のジャングルジムに上り下り。
少し前の記憶を探ると怖がっていたような気がしていましたが、それも遠い過去のようです。
ケガしないかだけ注意しつつ、好きに遊ばせています。