インコタームズ®2020で新たに新設された
DPU(Delivered at Place Unloaded)
について説明をしていきましょう。
DPU(Delivered at Place Unloaded)[仕向地持込荷下ろし渡し]とは
DPU(Delivered at Place Unloaded)の略です。
そのままディーピーユーと読みます。
DPUは費用とリスクを輸入者側の国まで
輸出者が引き受ける内容です。
イメージはDAPと同じですね。
では何が違うかと言えば、荷下ろしをする
ところまで費用負担とリスク負担を
売主(輸出者)が行うかどうかです。
D系統はあまり契約で多くは見かけません。
でも、私が輸入している会社で
D系統を使ってくれている会社もあり、
費用負担とリスク負担をしっかりと理解しておくと、
買手(輸入者)側にとってとてもありがたい基準です。
ちなみに日本語訳はまだ決まっていません。
DAPが[仕向地持込渡]と訳されているので、
それの差が「荷下ろし」であることが理由として
[仕向地持込荷下ろし渡し]と訳しました。
長いので、日本のIOCが訳を決めて発表するまでの
仮の翻訳の位置付けです。
契約書の上での表記上はこのようになります。
リスクと費用は前述の通りですが、このように移転します。
荷下ろしした時に移転です。
DAPとリスク・費用移転を比べてみるとわかりやすいですね。
こちらは引き渡し場所に運送した時点までで費用負担と
リスク負担が売手から買手に移転しています。
荷下ろしするかが特徴的
DPUは、インコタームズ®の中で、売手側が
荷下ろしをする費用・責任を要求する唯一のものです。
売手側が荷下ろしをするというのは、
相手国をよく知った場合でないとなかなかできません。
例えば、日本からベトナムへ輸出するとしましょう。
日本の業者がDPUを使った場合、ベトナムで
貨物の荷下ろしをするまで負担しなければなりません。
しかし、ベトナムの輸送業者をよく知っていて、
しかも荷下ろしまでしっかりと責任を持ってやってくれなければ、
DPUの条件を完遂できません。
日本の業者が売手として輸出した場合に、
ベトナムの現地業者をよく知っていることは
多くないかもしれないからです。
大きな企業であればありえても、
輸出を増やしている中小企業であれば知らないことが多いでしょう。
売手の責任が大きいため、荷下ろしの
責任まで持てない場合は、DAPを使いましょう。
DPUは、DAPと同様に海上輸送であっても航空輸送で
あっても使える貿易条件です。
輸出通関の義務と輸入通関の義務
DAPにおいて、輸出通関の義務は売手(輸出者)にあります。
一方で、第三国での輸入通関の義務はありません。
ですから、輸入通関で止まってしまって貨物を引き取れない場合の
リスクは買手側にあります。
保険付保の義務は?
海上保険を付保する義務は売手側にも買手側にも
ありません。
この点はDAPと同様ですね。
このインコタームズ®だけでは決まらないとも表現できます。
DAPを使う場合は、保険を誰が契約するのかを
はっきりさせておきましょう。
ただ、はっきりさせれば売手が付保することになります。
上記の図をみてもらえば、貨物の荷下ろしを
するまでのリスク負担は売手側にあるからです。
インコタームズ®上では費用面で付保義務はないものの、
リスクを有しているのは売手であることが明らかです。
だから、買手は売手が海上保険の付保をしているか
確認をしましょう。
万一していなければ、リスクがどちらにあって
どちらが付保をするべきかリマインドしてあげるといいです
まとめとして
DPUは新設の条件です。
2020年から新たに使えるインコタームズ®ですね。
調達の流通経路がしっかりしている
一般消費物などで使用されることを
念頭においたインコタームズ®と言えます。
【編集後記】
インコタームズ® のセミナーの需要ありますでしょうか。
【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO
【一日一新】
スフレプリンティラミスカフェ
【子育日記(2歳)】
ちょっと怖い番組を見たせいか、
夜寝る時にピトッとくっついて寝ていました。
大人になると気にしませんが、
そんな番組が自分にもあったなと思い返します。