インコタームズ®2020以前からある
FAS(Free Alongside Ship)[船側渡し]に
ついて説明をしていきましょう。
FAS(Free Alongside Ship)[船側渡し]とは
FAS(Free Alongside Ship)[船側渡し]は
エフエーエスとそのまま読みます。
図を見てもらうと分かる通り、
売手（輸出者）のリスクは、船に
積み込む手前部分で終わっています。
実際に、商品が船のそばに置かれた時点で
そのリスクは買手へ移転します。
よく言われるのは、艀（はしけ）や
岸壁（がんぺき）に置かれた時点で移転することです。
岸壁は船を近づけるために埠頭（ふとう）に
作った壁のことです。
映画で船が横付けしているのを見たことがあれば、
ほぼほぼそれに該当します。
艀はエンジンを積んでいない浮いている船です。
映像を見てもらうとイメージしやすいでしょう。
[su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=o7CWJyXF4Pk”]
買手のノミネーションがついています。
ノミネーションについては、後述します。
リスクの移転は、配送済みになった時点となります。
具体的には、Alongsideという言葉の通り、
船の側まで貨物が届いた際に、リスク移転となります。
それ以降の商品のリスクやコストは買手が
すべて負担します。
契約書の上での表記上はこのようになります。
輸送手段は海上のみ
FASは海上輸送か、内陸輸送の場合に使用します。
内陸輸送は日本からは想定されませんので、
海上輸送のみに使うと割り切って最初理解しても
なんら問題ないでしょう。
ただ、FASは貨物が船の側に行かない場合には
適しません。輸送業者に直接渡されて、船の側に
行かない場合とは、輸送業者のコンテナターミナルに
直接渡されるケースが想定されるでしょう。
コンテナターミナルに直接持ち込まれて運ばれる場合、
FASを使わずにFCAを使いましょう。
輸出通関は誰がするのか
FASの場合、輸出通関を売手がする必要はありません。
別途、特別な合意をすればそれも可能ですが、
インコタームズにおいて定義をしようとすれば、
別のものを使います。
海上の類似のものであればFOBが適当です。
保険付保の義務は誰にあるか？
FASの場合は売手に保険の義務が課されていません。
当然に、買手が海上保険を付保します。
倉庫間約款があるため、延長でその前後も
カバーできますので、あまり深く考えなくても
保険はカバーできます。
保険業者から複合一貫輸送のフォワーダーに
相談してみましょう。
ノミネーションとは
FASの場合には、買手がノミネーションを
行うと言いましたが、ノミネーションとは
輸入側が輸送業者を指定することです。
FAS TOKYOとした場合には、
東京港の船の側の倉庫などで引き渡しと
なるでしょうが、この際に
どこの倉庫に入れますか？
それは、買手が輸送業者として指定した
会社の倉庫に入れます。
だからノミネーション(NOMINATION)が
必須となります。
台湾の業者がFAS TOKYO をした場合に、
ノミネーションとうたって輸送業者を指定して、
運賃後払いで東京から台北までの輸送を行います。
台湾の会社から見れば、日本から台北までの
業者を指定して、運賃を後払いしています。
これがノミネーションの具体例です。
ノミネーションのイメージをつかみたい方はこちらもご参照ください。
まとめとして
FASはそこまで耳慣れないかもしれませんが、
FOBとの差を含めて理解しておくといいです。
危険負担は、通常の仕事においては、
正直どうなってもそれほど問題ではないんですが、
災害があるときなどまで想定すると
意外と重要です。
倉庫に運び込まれる前に災害が起きて道路で
貨物が破損した場合は誰に責任がありますか？
倉庫について、保管中に災害が起きて
貨物が破損した場合は誰に責任がありますか？
通常は考えなくていい場合も想定してリスクを回避し、
あるいはリスクを持つなら保険を付保して
取引をしていくよう、癖をつけて考えると面白いです。
【編集後記】
FASは使わない人は全く実務で使わない条件かもしれませんね。
【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO
【一日一新】
西宮ガーデンズ
【子育日記(2歳)】
夕飯はのんびりとうどんをこしらえて
食べさせました。
いい出汁だったのか、しっかり残さず
食べてました。