翻訳不確定性と機械学習やAI

桜

機械学習やAIの応用可能性の記事がたくさん出ています。実用可能性が高い話であったり応用力が高い話も耳にするでしょう。

しかし、翻訳不可能性を考えれば単純に人間の全ての活動を置換できるわけではないです。プログラミングや数理から機械学習やAIを考えているため、言語学的な共通性が不正確なまま分析されていることもままあります。

翻訳不確定性とAIや機械学習の応用がこれからな点について考えます。

 

桜

*お花見にて by iPhone X

 

 

もくじ

クワインの翻訳不確定性

アメリカの哲学者、論理学者であるウィラード・ヴァン・オーマン・クワイン(Willard van Orman Quine)の考えです。

一つの言語体系を別の言語体系に翻訳するときに、その訳語は一意に決まらない。文脈全体としての意味は同じであっても、個々の言葉が示す意味には大きなズレが出てきます。((正式な哲学用語を使って表現していないので、厳密性からは外れた文章ということはご了承ください。))

 

例えば、言語Aの中のaを言語Bの中のbという 単語に置き換えたとします。その場合、bではなくb’という単語に置き換えるこ とも可能ではないのか。その場合、bとb’のどちらがより正しく、ひとつの言葉がまさしくその翻訳語であるということが決まる理由はどこにあるのだろう か。

その理由が決まらないということがクワインの理論です。

指示の不可測性(inscrutability of reference)をどのように理解し帰化できるか、という問題が発生します。

 

一意になる問題とならない問題

コンピュータに「猫」を自学させた話は大きな話題になりました。これは猫の姿をコンピュータに自動で判断させるものです。

姿の判断だったから一意に近い問題に帰結できています。こういった問題への解法はこんゆーたが得意な処理でしょう。

 

ただ、クワインの翻訳不確定性のように答えが一つに決まらないものについて、おしなべて一つの言葉の定義をベクトル化して分析しても成果が出ないでしょう。

いくら分析的に優れていてもいわゆるゴミデータをあさるような状況に陥ります。

前処理をどうするかは、画一化できない大きな問題をはらんでいます。

 

言葉の揺れ幅や生活に密着したものは

機械学習やAIが応用できる分野は広いでしょうが、苦手な分野もあることが分かります。

先日、専門機械のメーカーの方から「専門分野の内容であれば、苦手な英語で話しても意思疎通に齟齬が出ない。代わりにお昼ご飯を食べるときの会話に困る。」という話を伺いました。近しい問題を感じます。

生活に密着した分野の翻訳や感情の分析について、前処理に当たる部分をどう考えるか。総合的な知見が必要ですね。

 

 

【編集後記】
新入社員を迎える時期になり慌ただしくしております。この時期に忙しくない部門の人と温度差が高いと日々感じさせられます。

【昨日のはじめて】
あまおうのイチゴタルト

【子どもと昨日】
健康診断に行きました。病院を恐れないので、意気揚々と活動的。年齢の近い子もいたので、手を伸ばして気を引こうとしてました。相手はあまりわかっていないようでコミュニケーションは残念ながら成立しませんでしたが。残念ですが、いい学びです。

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