税務調査の際に、法的三段論法を使って
法的に税務調査を視ようという趣旨のもとに
書かれた本です。
税務に法律思考が必要なことが
しっくりこない方やもう一度振り返りたい方に
合わせた内容になっています。
本と、「射程」について書かれている部分を
ご紹介いたします。
税務調査と三段論法による法律のあてはめ
本書は、行政が法律に基づいて行われ
ならず、税務調査においても同様という
説明から始まります。
法律に基づいて行うことは、
法律の基本姿勢である三段論法に
基づいた判断構成を取ることになります。
国家権力である税務行政と力関係は純粋に
負けてしまいます。
しかし、法律の土俵に乗った上での議論は
ある種対等にできます。
三段論法は、対等にやり取りをするための
武器になるという内容です。
木山泰嗣『税務調査を法的に視る改訂版』34ページ (大蔵財務協会、2016)。
1. 「大前提」として法解釈を行い2. 「小前提」として事実を認定
3. 「大前提(解釈された法規範)に「小前提」(認定された事実)を適用する
射程の使いこなし
さて、「射程」が問題に出てきます。
法的三段論法を実施する際の1番目で、
大前提の解釈を行います。
その際には、法令だけではなく「似た裁判例」からも
類似の判断を抜き出してきます。
例えば、子どもにおこずかいをあげるときに
先月1000円を渡しているなら、
今月急に1万円を渡してしまうと全体のバランスを
欠く結果になります。過去の判断とのバランスを
とる意味でも、以前の判断も法解釈に利用するのです。
ある裁判例の結果が、事案に対する「似た裁判例」と
認定してもらえれば、その事案はその裁判例の
「射程内」と表現されます。
逆に入らなければ、射程外です。
射程に入るかどうかというのは
法律判断の一部なのです。
入るかどうか、簡単に判断できるものであればいいですが、
わかりにくいものもあります。
実務であれば、類似の例に該当するかで
判断の分かれ目を確定させるのに重要な考え方です。
論文を書いているのであれば、
そもそも参照するべき裁判例かどうかの判断で
重要な判断点です。
まとめとして
書籍は端的に書かれ、読みやすさを重視しています。
でも、理解して使うまでには時間がかかるため、
読み返してほしい旨がところどころに出ています。
根幹になる考え方だからこそ、
身体に染み込ませて思考様式にするまでに
時間がかかるとも言えるでしょう。
勉強の合間などに、興味がある方は
読んでみると面白いです。
【編集後記】
トレシー(メガネ拭き)を買ってみました。
値段がはる分、しっかり汚れ落ちますし洗えます。
【運動記録】
ジョギング○ ストレッチ○ 筋トレ○ サプリ○
【子育て日記(3歳・0歳)】
適当な空きをみて、下の子を抱っこしてます。
新生児の期間はあっという間なのは理解してますし、
抱き上げても嫌がられないので、これ幸いと。
急に「へへっ!」とか笑うので、面白いです。