聞いてあげることは、一応はそれほど難しくありません。
聞くなのか、聴くなのかという違いもありますが、ここでは、聞くで統一しておきます。
どちらにせよ、深い質問を返したり、相づちを打ちうまく打てたりなど、細かいところがありつつも、耳の障害などがない限り、聞くというのはできることに入ります。
でも、組織内で意外に「聞いてくれない」ということを言われます。
当たり前にできることが多いことであるのに、どうしてでしょうか。
心がけがないという回答もあるでしょう。
でも、処理したり議論したりが中心になっている組織で、「聞いてあげるだけ」に価値がないと考えるから、というのが今回の考えです。
少しまとめてみます。
「聞いてあげるだけ」ができていない
聞いてあげるだけであれば、特別なスキルはいらないと考えます。
もちろん、いくつかノウハウもあって、
- うなずき方
- 傾聴姿勢
- 質問の仕方、しなさ
- 音楽の準備
- 前提条件の準備
- マインドセット
などなど、挙げればいくらでも技術は深められます。
そして、聞く深さも色々あります。
- 言っていることを聞く
- 言おうとすることを聞く
- 言っていないことを聞く(察する)
- 発話者に気づきをもたらせた上で、聞く
ただ、こんな細かく考えなくてもとにかく、聞くこと、聞き始めることはできるはずです。
でも、なかなか行われないということ、クレームがたくさんあがるとまではいいませんが、しばしば見かけます。
在籍している方々も、聞く力は十分に持っているはず。
でも聞かない。どうしてでしょうか。
処理や議論が多い場で「聞いてあげる価値」
根本には、そういった組織は「議論の場であって相手の話を聞いてあげる場ではない」という前提が関わっていると考えます。
もちろんクリエイティブな世界で聞くことを重視することがあるでしょうが、すでに理論ができあがっていたりやり方が決まっていることまで、いちいち聞くことをしていると、話が進みません。
処理の方法も決まっていれば、そのやり方でやっておいてもらって、改めて聞くことをするまで至らないのではないでしょうか。
だから価値が上がって、求められるのです。
その組織内では、「聞くことが少ない」=「希少価値になっている」のです。
改めて場をつくってあげなければ、「聞いてあげるだけ」に積極的にはなれません。
現実世界で、1on1を取り入れる組織が出てくるのも、この理由からと考えます。
リモートワーク・在宅勤務では「聞く」解きほぐしがさらに必要
「在宅勤務やリモートでしごとにならない」というコメントも、普段意識せず近くにいればできてた「聞く」の要素が更に稀有になるからと考えます。
だから、これらを取り入れるときは、「聞く」要素をちゃんと入れられるコミュニケーション設計を組み込むべきでしょう。
リモートワークの際には、移動がなかったり家から参加できるようになり効率が上がる側面があります。
ただ、上記のような「聞く」ことについては遠ざかってしまい、意識しないとなくなってしまいます。
チャットやお茶会、ランチ会などで交流を増やそうとするのはこれらの観点からでしょう。
今までしていなかった内容を追加で企画しなければならない意味では、効率は落ちます。
(楽しくないという意味ではないですが。)
出勤していたら、「聞く」ができているかというツッコミはあります。
だから、この話を提案しても、なぜか必要性を理解してくれない組織まであります。
一筋縄ではいきません。
ケアをするなら聞いてあげる
最近の実体験で、積極的に様子を聞く時間を設けると、「少し話せて楽になった」ということを言ってもらえる経験がありました。
聞くこと自体はそれほどたくさんのスキルはいりません。
心構えと時間辺りでしょうか。
時間を用意するのは、別の技術の話にもなりそうですが、用意さえすれば聞く場をちゃんと設けられます。
コミュニケーションを控えるように言われるコロナ禍下で、意識せずともコミュニケーション不足になっている人はいます。
特殊な状況ですので、ケアするべき人がいれば、ちゃんと聞いてあげられるように意識したいものです。
【編集後記】
受講しているWebセミナーが開始しました。
分量が多いので、コツコツがんばります。
【運動記録】
ストレッチ○ 筋トレ○
【子育て日記(4歳・0歳)】
下の子が、朝私を起こしに来ます。
4時とか5時とかです。
おめめがパッチリしているので、朝からとてもやる気を感じます。
もう一度寝ないかなぁと試してみますが、無理な様子。
なので、このまま遊びます。