「先生に言いつけるよ」:同調圧力・社会が求める同一性・隣より前を見て

こじま税理士のビジテクブログ | 「先生に言いつけるよ」:同調圧力・社会が求める同一性・隣より前を見て
誕生祝いをされながら子どもへ by iPhone 15Pro

子どもたちの間でしばしば耳にする「先生に言うよ」という一言は、単なる子供じみた脅しに留まらないことがあります。時折、このフレーズを言う子に出会います。

この言葉は、社会的な力としての恐怖から、相手を制御しようとする強力な戦術です。言われた方は、言われたときの行動が禁止事項に引っかかっているか分からないときがあり、考えて萎縮します。

告げ口は、社会的地位や集団内の秩序を保つ手段として機能しながら、同時に集団内の圧力を象徴しているとも言えます。単なる正義で使われる言葉ではなく、使った子どもの集団の承認欲求が隠れている場合あることに注意が必要です。

教室という小さな社会において社会的孤立を恐れる気持ちは、独立した後も時折感じます。一部の人が(実際にそのことが良いか悪いか判断がつかないことで)、強い否定を叫んでいる場合を見かけるからです。恐怖は上手に整理して、平然とする必要があります。

もくじ

同調圧力

「先生に言うよ」はとても強いです。その時分には、絶対的な権力者です。その権力者ににらみを受ければ小さくなります。

小さい子どもにこの言い方が良く見られるのはなんでなのかと疑問感じました。うちでは使わないのですが、何人かそういう物言いをしている子がいます。親御さんの影響を受けているようでもないので、物語などで入っているのかもしれません。

小さい頃から見られる日本社会における同調圧力は、個々人の行動や考え方に対して強い影響を及ぼします。「みんなと同じでなければならない」という暗黙の了解が醸成されていると見えます。

学校教育の現場では、この圧力が特に顕著なのかもしれません。同じカリキュラムで進む上で、違うことをしていればフライングで走っていると言いたい欲求が出てきます。

告げ口の心理学

「先生に言う」というのが正義の場合があるかもしれません。本当に禁止されている事項に対して、「先生に報告します」という圧力として出ている可能性です。不公平や不正を正す手段として正当化されることは多いです。

しかし、それ以外にも告げ口を言いたい気持ちの理由は考えられます。情報が生存戦略として発達したことを考えると、集団の中での自己の地位を保つための戦略として使用されると分析できます。具体的に考えてみます。

権力とコントロールの追求

先生への告げ口は、他者に影響を与え、状況を自分の望む方向にする手段として使われることがあります。つまり、告げ口をする子は一時的な権力やコントロール感を感じることができます。

社会的承認の欲求

    告げ口をすることで、規則や社会的期待に自分が従っていると見なされます。その結果、集団からの承認や評価を得ることができると考える子もいます。

    不安と不安定な自己価値感

      個人が自己価値を不安定に感じたり、自己認識が低い場合、他の子を告げ口することで自分自身をより良く見せようとすることがあります。

        報復や嫉妬

          個人が他者に対して嫉妬や恨みを抱いている場合、告げ口は報復の手段として使われることがあります。

          社会的排除の恐れからの逃避

            集団からの排除を恐れることが、規範に従い、潜在的な逸脱者を告発する行動につながることがあります。これにより、告げ口した子はクラスなどの集団に受け入れられ続けると感じることができます。された方は追い出されるか、行動を変更されていきます。

            正義感や倫理観

              告げ口は真の正義感や倫理観から行われることもあります。個人が不正や不道徳を許せないと感じたときに、告げ口が道徳的行動として正当化されるのです。この倫理観が社会の基準に合っていないときでも、告げ口の権力機能が働いてしまうやっかいさはあります。

              同調の要求:個性を犠牲にするか?

              告げ口された方は、しばしば個性を埋没させることになります。ほかと同じことを良しとする社会では特に。他と同じを良しとしない社会では、なんてことないのですが。

              この問題は、学校のクラスルームから企業のオフィスまで、あらゆる場所で見られるはずです。個人が自己のアイデンティティを犠牲にしてまで集団の期待に応えることは、その人の精神的、感情的健康を損なう可能性があります。それに、個性を活かすことになりません。

              職業の面からは、「個性を尊重」と「同調の圧力」のどちらを正とするかは変わってきています。これまで社会に出た経験では、もっと尖っていいと言いたいですが。

              未来への一歩:隣との競争を超えて

              同調圧力と個性の抑圧が個人および社会に与える影響を探ってみました。子どもの様子から日本社会において同調が如何に根深いかの例を挙げました。子どもがこれを言われたときには、適度に気にしないように言っています。

              前述したとおり、これからの社会では尖っていく必要がありますし、誰かに遠慮しても、経験上あまり何も生みませんでした。その意味で、隣を見て競争するのではなく、もっと前を見て競争をするように伝えたいです。それは、自分で事業をしている上でも同様に。社会と合わせる力も無視はできないことは理解しています。その辺りの折り合いをつけられるように、距離感や独自性を見つめ直していきましょう。


              【編集後記】
              私の誕生日で、家族に祝ってもらいました。歳を重ねるごとに誕生日の意味が薄れる気がしますが、時間を大切にまたがんばっていきます。

              【運動記録】
              ストレッチ○

              【子育て日記(息子6歳10ヶ月、息子3歳3ヶ月)】
              若干下の子がイヤイヤ期に再度入ってきています。上の子も我慢してくれますが、両方の折り合いと気持ちの整理をつけるのにちょっと苦心しています。

              もくじ