経営分野と法学分野、それぞれ特色があります。
経営分野のこの点が優れていると感じるところもあれば、
法学分野のあの点が優れていると感じるところもあります。
それは、個人の力量というよりも
分野によって気をつけるべきところという
意味で参考になりました。
2種類の修士レベルの発表会にそれぞれ参加をして
比較しました。それぞれの優れていた点をまとめてみます。
法学分野で優れていたところ
法学分野で優れていた部分は
2. 一般性を持たせられている
1. 論理展開
小さなまとまりでの論理展開について、
(ほぼ当然かもしれませんが)
法学分野の方が整っていました。
一つの前提から、それを追って次の文章を
並べていくスタイルは、法学分野がわかりやすかったです。
むしろ、論理展開を少しでも無視すれば
法学分野は文章が進まないことが裏にあるのかもしれません。
逆に経営分野であれば、論理展開が少し甘めになっても
全体のまとまりがそれほど崩れない性質があるとも言えます。
これに対して、論文全体を貫く論理展開の巧拙は
その個人のレベルによるようです。
2. 一般性を持たせられている
法律ですから、その結論に一般性を持たせる点で
法学分野の方の方が成功している人が多かったです。
経営学分野の方は、(ここが難儀なのでしょうが)
特別に得た個別の知見を帰納的に昇華しにくいようです。
その知見が得られたから何かという内容のものもあります。
法学の方がこの点はやりやすいと感じます。
経営学分野で優れていたところ
経営学分野で優れていたところは、
2. 文献範囲と先行研究
3. 具体性
1. 問いの立て方
経営学分野の方の方が、具体的な
問いに対して論文全体が答えられていました。
問いから始める論文であること、
問題を解決したいと考える志向性は
経営学分野の方の方が明確です。
法学分野ですと、一見全てが論じ尽くされている
ように思えるほど、緻密な展開が要求されます。
一つでもハシゴを登り間違えれば
論理展開はよくてもなんの問いに答えているか
わからない方向に進んでしまいがちです。
2. 文献範囲と先行研究
(今回はかもしれませんが)、
先行研究で明らかになっているかどうかや
何が不明であるかの示し方は、
経営学分野の方の方がしっかり詰めていました。
指導の賜物かもしれません。
法学分野の方に言えるのは、
最近の問いに答えようとすると、
先行研究が少なかったりそもそもなかったりすることです。
古典的なものであっても
何がベースになりうるか、それから
溢れ出るような演繹的回答をどこから
引き出すかは、腕の見せ所とも言えます。
3. 具体性
組織で立ち向かっている具体的な
問いから始めている人が多く、法学分野よりも
具体性に優れているものが経営学分野において
多かったです。
前提や問題意識の共有に時間を割いていたことも
そのように感じた理由です。
それぞれの良いところを取り入れよう
上記は、一般的な法学分野・経営学分野の傾向というよりも
今回研究対象とした2グループの比較です。
ただ、論証をしていなくても
比較すれば類似に感じる場面を観測できるでしょう。
両者を記載しているのは、
それぞれの分野のマナーを守った上であれば、
お互いの参考になるような性質をお互いに
見つけられるからです。
それぞれの分野において守るべき手順や考え方はあるにせよ
その分野で異端とされているような何かを
暗にでも入れておく方が新しさにつながります。
カレーにチョコレート入れるような感じで。
論文を書くときの一意見として参考になるかもしれません。
【編集後記】
トマス・クーンのパラダイム論は日本でよく好かれますね。
パラダイム論自体は本人があいまいさにおいて否定をしていると
理解しているため、その言葉が亡霊のように使われるのに
ちょっとだけ違和感を感じます。
科学哲学分野から、特に社会学分野に移管されて
「考え方のまとまり」程度の意味合いの
目立つ言葉として置かれているような場面に出くわします。
アカデミックな分野で使う場合は、
担当教授に確かめた方がいいのではないかなと。
【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO
【一日一新】
伊勢茶バーム
【子育日記(2歳)】
こちらがちょっと高めのチーズを食べていると
ひょこひょこっと寄ってきて、「食べる〜」と。
おねだりが上手になる感じです。
甘やかしすぎないようにバランスとります。