マンガやらアニメやらで、日本において一定程度は受け入れられる素地があるように感じますが、法律として同性婚を認めるのは、まだかかりそうです。
個人の自由を尊重する社会が主流にきており、いつかは認められる方向だとは考えますが。
憲法上保証された個人の自由に対する求めは当然ありますが、税務関連から見れば、2人の間の財産の移動に対する課税がどうなるかという検討課題が出てくるでしょう。
例えば、同性婚が日本で婚姻として認められ、その二人の間で相続があった場合に、相続税を低くするといった考え方がとられます。
が、問題も出てくるでしょう。
パートナーへの資産の移転の税額を減らす制度
婚姻関係にある人に対して相続で財産が移転した場合、移転した価格からいくらか差し引いて計算することで、相続税額を減らす制度があります。
必要な条件は、法的に婚姻関係にあることです。
内縁では認められないということですね。
さて、同性婚が認められれば、法的に婚姻関係がある人が同性でも存在することとなります。
相続税法19条の2において、条文上で「相続人の配偶者」となっていますしね。
この制度ある意味として、長年一緒にいたパートナーへの配慮、パートナー間の資産形成の貢献、老後の生活保障、子どもへ相続するより若干早く相続が開始することへの配慮などがあげられます。
となれば、同性であっても適用することをいとわないですね。
子どもなどがどうなるかは今の段階ではわかりませんが、技術が状況を追い越して行く可能性も十分ありえます。
同性婚が認められれば、同性間の資産移転への制限は難しい
同性婚が認められることは、自由を求める上ではとても良いことだと考えます。
ただ、いわゆる税金逃れに使われることも増えるでしょう。
今までであれば、養子にして法定相続人に入れていた人を、配偶者として法定相続人に入れることができるようになります。
年齢差があっても結婚は可能ですよね。
90歳の女性が18歳の女性と結婚することも法律上大丈夫です。
80歳の男性が20歳の男性と結婚することも可能です。
資産の移転をするために、子どもにしていた状態から、配偶者にしてしまえという場合も出てくるでしょう。
重婚が日本で認められることはかなり難しそうなので、18歳の人がすでに好きな人がいるとか、Xがつくからどうしようなどという観点はあるでしょうが。
税務から考えれば、同性間の資産移転に多様されることが目に見えています。
資産の移転への税額を減らすのに愛が必要か
80歳と18歳が結婚することで税金逃れがあるのであれば、資産の移転について条件をつけるようになるのでしょうか。
つけられる可能性があっても、かなり難しいです。
単純に婚姻期間を10年以上にするなどの措置が考えられます。
でも、再婚の場合にたまたま結婚して2年で去ってしまった異性間の夫婦の相続税を減らすことも邪魔するようになるからです。
パートナー間に「愛」があることで測りましょうか?
いや、測定できませんよね。
そもそも、法律で「愛がなければ結婚できない」などとも書いていませんし。
法律の原則ではなく例外が主流になる
上記の議論は、同性婚を民法の観点で考えれば端っこの議論かもしれません。
でも、影響を受ける税法の考えからは大きな問題です。
というのも、例外規定というのは、認められる枠組みの一番外側のものとして多様されるからです。
例外が主流になるということも十分にありえます。
税法は、何かと脇役に徹しようとしています。
税負担が価値判断に影響を与えないように必死です。
でも、必ず影響を与えます。
混乱が生じる点であると予想される
認められてもいませんし判例もないので議論は進みにくいですが、こういった議論は早めに検討しておいてもいい点です。
所得税における退職金への優遇が、短期間で転職する世の中になったことで見直されたように、配偶者控除についても見直されるという可能性が考えられるでしょう。
海外の事例と比較法を用いて問題を見ることが、今のところの限界かもしれません。
財産関係より自由が優先されるきらいが憲法上はあるため、上記ような影響があっても、自由の観点から同性婚が認められるかどうかだけを、裁判所は判断しそうですが。
議論する前に、前提の用語や定義づけってとても大切です。
ふと気になったので、つらつらと。
【編集後記】
自分ではどうにもならないことに悩むよりも、コントロール可能なものを一生懸命取り組む方が得策ですよね。
【運動記録】
ストレッチ○ 筋トレ○
【子育て日記(4歳・1歳)】
子どもとお買い物。
筆入れで、適当な安いのを買おうとしたら、そこそこの値段のものを選ばれてしまいました。
好きなものを選んでやる気が出るならいいのですが。