学問をしていると日常世界で役に立たないと
感じることが(しばしば)あるのでは
ないでしょうか。
公理のように。
そこまでいかなくても定理のように。
何かしらの法則を明らかにするために
削ぎ落としてしまうものが多いせいか、
学問は役に立たないとふと耳にします。
平易なのは、日常語、つまりは口語調に
仕立てることでしょう。
一方で、学問で専門化するときには、
できる限り日常の言葉から
かけ離れたアイディアをその言葉に
純化することから始まります。
よく知っている「引力」の例を使い、
学問が役に立たないと総じる
素を探してみます。
ニュートンは引力をなんと名付けたか
学問世界が日常世界から切り離れてくる
様子をニュートンの万有引力の名付けを
例にして考えてみましょう。
ニュートンは万有引力を発見したと表記されます。
引力と訳されているもの。
ニュートンはAttractio(ラテン語)と名付けます。
Attractioは日常用語の範囲に含まれた言葉でした。
「人間と人間、あるいは魂と魂が引きつけ合う力を
想定し、そのアナロジーとして表現する力」を
指していました。
同じ概念をみなさんは学校でgravity(重力)と習っています。
重力も引力と同じような意味です。
しかし、重力の方が科学の世界に入ってます。
文学作品ではともかく、重力は地球が物体を
ひっぱる力であり、魂などは関係ありません。
訳語であるため、両者の違いに気づきにくいですが、
重力はより理論世界の言葉になっているのです。
理論世界は日常世界から可能性を切り離して世界を構築する
理論世界の言葉をなぜ使うか。
それは、日常世界から切り離して
世界を構築するためです。
「日常の概念から切り離して物事を
理解する」、これが世界を構築することです。
量子力学を理解する中、現実に
科学者が粒子を加速させ衝突させる
イメージを失うことはないのです。
物理的意味を追い求めると、
そのもののもつ意味が見えなくなる。
素人には全く見えなくなる。
だから、当初の話のように
学問が現実世界に役に立たないとの
批判が聞かれるのではないでしょうか。
学問の基本性質とビジネス実務家のバランス
たちかえれば学問は、日常(現実世界)の
法則を理解するために出てきているもの。
概念化するために日常から切り離すとしても、
概念かしすぎて日常からかけ離れることは
無意味さを膨らませます。
大学にふと戻ると、どうしても理論寄りで
概念化は素晴らしいにせよ、どこで役立たせる
のかと感じることがしばしばあります。
その批判は大学自身がしっかり理解していて、
だからこそ社会人を大学に戻りやすくして
日常と理論世界の融合を図ろうとしていますね。
社会に出た人の有利な点はこの二つの融合です。
ビジネスに傾倒してその経験を武器にするだけでなく、
高校上がりに大学生よりも生活での経験を
積んでいる。
生きてきたこと自体が、日常と理論とを
融合させる良い土壌になっているでしょう。
役に立たない学問との批判を受けたときには、
その学問と日常生活やビジネスの接点に立ち返って
ぜひ再構成をしてみましょう。
【編集後記】
後期に取る授業の見直しをしていました。
食べ過ぎが胃もたれするように、
どれくらいが適切な量か、見直しです。
【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO
【一日一新】
ボスWインパクト
【子育日記(2歳)】
プラレールの組み立てを一緒にしてます。
独創的な形態に仕上げるつもりで
やっていますが、まずは基本から。
子どもを忘れて主役にならないように
自粛しながら見守ります。