WordPressサイト改修の際のステージングサイトは、比較的面倒なところです。しかし、これを挟んでおくと問題があったときにスムーズな解決ができます。
環境バージョンの整理から正攻法、All-in-One WP Migrationを使う方法までまとめます。
環境バージョンの整理
まず、これらの用語は確認しておきます。以下の用語は、Web開発や運用においてよく使われる環境の区別を説明するために使われます。
本番環境 (Production Environment)
通常皆さんはいつも更新しているサイトのことをいいます。
問題があると困るため、安定性とパフォーマンスが重視されます。また、ダウンタイムが最小限であることが求められる。
テスト環境 (Testing Environment)
テスト環境は、新しい機能や修正が本番環境に反映される前にテストするための環境です。開発者やテスターがここで様々なテストを行います。
例えば、プラグインの相性を見るために使います。新しいコードを入れても問題ないかも確認できます。バグやエラーの発見と修正が目的です。データは本番データのコピーやダミーデータが使用されます。そして、テスト自動化ツールや手動テストが行われます。
ステージングサイト (Staging Environment)
ステージングサイトは、本番環境にできるだけ近い環境で、最終確認を行うための環境です。すべての変更が本番環境にデプロイされる前に、ステージング環境で最終的なテストを行います。本番環境とほぼ同一の設定やデータが使用されます。
本番環境に移行する前の最終確認の場です。テスト環境に似ていますが、テスト環境はテストをすれば廃棄します。これと比較してステージングサイトは、その試した環境を本番環境へ戻すことを想定していることが多いです。
正攻法
ステージングサイトを本番環境へ戻すための正攻法には、FTPを使う方法とWP Stagingを使う方法があります。それぞれの手順を以下に詳述します。
FTPを使う方法
概要
取り出したデータを最終的にFTPクライアントで、本番環境へデータを上書きする方法です。慣れていないとちょっとやり方に苦慮するでしょう。
手順
- バックアップの取得
- 現在の本番環境とテスト環境の両方のバックアップを取得します。万が一の問題に備えて、サイト全体のバックアップを保持しておくことが重要です。
- FTPクライアントの設定
- FTPクライアント(FileZillaなど)を開き、ホスト名、ユーザー名、パスワードを入力してサーバーに接続します。
- テスト環境のファイル取得
- テスト環境のルートディレクトリに移動し、wp-contentディレクトリを含むすべてのファイルをローカルにダウンロードします。
- 本番環境のファイル置換
- 本番環境のルートディレクトリに移動し、事前に取得したバックアップを使用して既存のwp-contentディレクトリとファイルを置換します。
- 必要に応じて、.htaccessファイルやwp-config.phpファイルも置換します。
- データベースの同期
- テスト環境のデータベースをエクスポートし、本番環境のデータベースにインポートします。これにはphpMyAdminやMySQLコマンドラインツールを使用します。
- データベースエクスポートには、テーブルのドロップと作成が含まれることを確認します。
- URLの置換
- テスト環境のURLを本番環境のURLに置換します。これは、データベースのURLを手動で編集するか、Search Replace DBなどのツールを使用して行います。
WP Stagingを使う方法
概要
WP Stagingを使う方法です。データのコピーから、本番環境への戻しまで、そこまで苦労しないはずです。sかし、有料のプラグインでないと本番環境へ戻せません。
手順
- プラグインのインストールと有効化
- WP StagingプラグインをWordPressの管理画面からインストールし、有効化します。
- ステージング環境の作成
- WP Stagingのダッシュボードから「Create New Staging Site」を選択し、ステージングサイトを作成します。
- ステージングサイトでの変更
- ステージングサイトで必要な変更やテストを行います。テーマの変更やプラグインの更新、コンテンツの編集などを行います。
- 本番環境へのプッシュ
- WP Stagingのダッシュボードに戻り、「Push Changes」機能を使用してステージングサイトの変更を本番環境に反映させます。
- プッシュの際には、全てのデータが正しく移行されるように設定を確認し、プロセスを実行します。
初心者向けのAll-in-One WP Migration
All-in-One WP Migration
無料でWordPressサイトのステージングコピーを作成できます。この方法なら、比較的簡単に、テーマ変更をテストして本番環境に反映できます。
無料でWordPressサイトのステージングコピーを作成し、テーマ変更をテストして本番環境に反映する方法は、以下の手順で実施できます。
難点は、移動容量の制限です。ここがクリアできるなら、いい方法です。
手順
1. サブディレクトリの作成
まず、ステージング用のサブディレクトリを作成します。今ある、WordPressの下に、もう一つWordPressをインストールしておくことで十分です。
ちなみに、サーバー上でコピーができる場合があります。例えば、Xserverの場合、サイトコピー機能があります。この点は、後述で補足します。
2. All-in-One WP Migrationを使用してコピー
All-in-One WP Migrationプラグインをインストールします。
WordPressダッシュボードの「プラグイン」 > 「新規追加」から「All-in-One WP Migration」を検索し、インストールして有効化します。
- サイトのエクスポート
- ダッシュボードで「All-in-One WP Migration」 > 「エクスポート」を選択します。
- 「エクスポート先」 > 「ファイル」を選択し、エクスポートを開始します。
- エクスポートが完了したら、ファイルをダウンロードします。
- ステージングサイトにインポート
- ステージング用のサブディレクトリにWordPressをインストールします。
- ステージングサイトのダッシュボードにログインし、同様に「All-in-One WP Migration」プラグインをインストールして有効化します。
- 「インポート」 > 「ファイル」を選択し、先ほどエクスポートしたファイルをインポートします。
3. テーマ変更と修正
ステージングサイトで新しいテーマをインストールし、カスタマイズやテストを行います。新しいテーマのインストールやカスタマイズを行っていきます。
4. 本番環境への反映
変更内容を本番環境に反映するために、再度All-in-One WP Migrationを使用します。先ほどと逆の手順です。
- ステージングサイトのエクスポート
- ステージングサイトのダッシュボードで「All-in-One WP Migration」 > 「エクスポート」からエクスポートを行います。
- 本番サイトのバックアップ
- 本番サイトで同じように「All-in-One WP Migration」プラグインを使用し、現在のサイトのバックアップを取ります。
- 本番サイトへのインポート
- 本番サイトのダッシュボードで「インポート」を選択し、ステージングサイトからエクスポートしたファイルをインポートします。
Xserverを使っている場合
Xserverを使っている場合、WordPressを別の場所にコピーできます。この方法で、一度コピーをして、その後コピーし返す方法でAll-in-One WP Migrationと同じことが簡単にできます。
手順はこちらにあります。
まとめ
最後の方法を使えば、無料でWordPressのステージングサイトを作成し、テーマ変更をテストして本番環境に反映することができます。設定中の検索サイトへの登録については、No indexなどの工夫が必要です。しかし、あまり気にしない方は、そのまま公開環境でステージングサイトを設定しても、大きくは問題にならないかなと。
実行方針の足しにしてみてください。
【編集後記】
布団を干していて、にわか雨に焦りました。
【運動記録】
ストレッチ○
【子育て日記(息子7歳0ヶ月、息子3歳6ヶ月)】
子どもが取ってくれた写真を、最近返した子ども用のパソコンに移し替えるつもりです。面白い編集ソフトなど入れてあげられるといいのですが。