待機児童に「保育園に落ちて育休延長している人が含まれない」おかしさ

待機児童の改善において、保育園に落ちて育休を延長している人が含まれてないことになっています。

保育園が足りずに育休延長になっているにもかかわらず、「待機」にならないのはおかしいです。
ただ、一部、「意図的に待機」している人がいることも否めません。
だからこそ、待機児童数から育休延長をした人を除外しているのでしょうが、この除外は実態把握を阻害します。

「特定保育所希望等」として、入れるところがあるのに入らない人を分けているのですから、待機児童に含めるべきでしょう。

 

*荒波ってこんな感じ

 

もくじ

減点に組み込まないと変わらない

待機児童として指標に組み込まないとどうなるか。
行政においてないものとして扱われます。

働いている人にとやかくはないのですが、減点法の評価軸を持っている組織において指標に出てこないと対応を全くしなくなります。

1歳時の保育園が足りないところが多い上で、育休延長をしたら待機児童に含まれなければ、預り枠を増やす指標になりません。

 

タイミングがキャリアの断絶を生む

預けられずに育休から復帰ができず、育休延長になる場合、退職につながる可能性があがります。

長期の育児休暇が認められる守られた組織にいれば大丈夫かもしれません。
でも、現実にそういうところにいる人は少数です。

受け入れ企業側でも、(カツカツで回しているわけではないにせよ)、人を余らせておくわけではいです。
今月復帰するのか、来月復帰するのかによってしごとの配分を変えたり、余分に人を雇ったり、非正規の人の雇用期間を延長したりなど、対応に迫られます。

もといたしごとに復帰できない可能性も出てくるでしょう。

「育児・介護休業法に基づき策定された指針」はあります。
もとのしごとに復帰させるように雇用者に努力をさせるとして、努力は努力です。

労基署に相談しても、

  1. (適用法律が労働法ではいので)窓口が違う
  2. あっせんをすすめられる

という形では、キャリアの断絶に対応をするというが難しいです。

 

「育休手当払っているのだから待機じゃない」には疑問

市区町村側の保育提供者としては、「育休手当をもらっているのだから待機じゃない」というのかもしれません。

でも、長期的に見れば、不利になる可能性があります。
会社勤めの場合に、賃金減少に対して厚生年金保険の等級補てんをしていることを考えれば、キャリアの断絶をさせられることが長期的に不利益をこうむる可能性が高いです。

待機児童としてカウントしなければ、育休復帰時の待機状況の改善がなされない可能性が出てきます。

 

育休延長を望む人が混じる難しさ

一方で、少数ながら育休延長を望んでわざと待機状態になる方もいると聞きます。
保育園の供給側としては、そういった人が指標に混じることは嫌でしょう。

ただ、特定保育所希望等[ref]保育園に入所できる空きがあるのに希望をしない人[/ref]という分類があるのだから、保育園の枠不足による育休延長を待機児童から除く理由にはなりません。
運営側の気持ちは理解できますが。。

 

今後の改善

待機児童のカウントの方法の変更は、費用が追加でかかるものではありません。
現実を把握できるようにするため、必要な変更と考えます。

一方で、追加の保育園の設置補助や、保育者の給与向上について、費用はかかりますが、今後の改善課題であるでしょう。
費用がかからない変更はある種貴重です。

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