ワークショップは一時期流行っていましたが、今は、基本的な事項に落ち着いた感じがします。取り組む分野によっては当たり前になっていますが、全く浸透しない場合もあります。ビジネス系でワークショップが流行らない理由をまとめてみます。
上下を平らにするのが難しい
ワークショップでは、対象が忌憚なく話すこと、コミュニケーションを取る素地をつくるようにします。
まちづくりであってもアイスブレイクやピットインを工夫してコミュニケーションをなだらかにとれる素地を作ります。まちづくりであっても、その場の偉い人、声の大きい人の影響を平準化しながら、全体の意見出しができるようにするのです。
一方、ビジネスの現場においてこれがどこまで実現できるのかは、疑問です。テレビ撮影するような場面であれば、役割として演じられるかもしれません。しかし、一般的な中小企業などを想定した場合に、上下が暗黙としてもしっかり存在している場合あります。ワークショップを内部の方がたまたま執り行うという状況では、この平準化がとても難しいです。
ワークショップを分かっている状態で内部からしっかり用意する必要があります。
気持ちで解決しない問題
ワークショップ寄りの方は、気持ちの共有で解決しようとかかりますが、それでは解決しないものがビジネスでは多めです。
気持ちを理解するワークショップのファシリテーターの気概は分かるのですが、もう一歩踏み込まないとビジネスでは片手落ちになってしまいがちです。
調停を目指す場面ならばまだ話の方向性が合うかもしれません。調停を前提とした法律の勉強会ではワークショップを学んでいました。弁護士の手法として一般的であるわけではないので、ワークショップに慣れている側としては腑に落ちましたが、一般手法に持っていくには時間も経験も必要というのが感想でした。
他者理解を求める場面か
ビジネスでも他者理解を求める部分はありますが、そうでない部分も多いです。ワークショップの前提条件は以前、話題にしたことがあります。
前提条件・・・コミュニティ形成のための他者理解と合意形成の練習
「コミュニティ形成のための他者理解」と考えたときに、適用できる範囲は広いと考えます。しかし、どの場面でも使えるかといえば、そうではありません。結論の場面でワークショップの広がりをわざわざ入れる必要はないです。適切な場面で、ワークショップの要素を入れ込まなければ、求める効果は出にくいです。
提供者の専門分野の偏り
ワークショップを学んだ際に、営業やバックオフィスであっても参加者が少ないと感じました。バックオフィスであるとしても、教育系の方。その他は、まちづくりであったり教育系の個人事業の方が多めでした。
ビジネス系でどんな要素がどの場面で必要かについて、あまり議論されておらず、ワークショップの提供者側に専門分野の偏りがありました。もちろんそれが悪いわけではないのですが、ビジネス系でもっと自然に入れ込もうと考えれば、適用する際の留意が必要です。
教育分野でワークショップを適用して、年数が経った後の波及効果で取り入れやすくなる可能性はありますが。
参加者の経験の差をそろえにくい問題
ビジネスでの専門性として、すでに参加者に経験の差がありそろえにくいことがあります。前提をそろえるということにさらにハードルが出てきます。
例えば、「営業戦略の前提をワークショップ形式でゼロベースから考える」という場面を想像します。挙げた論点に対して老舗の方が、「以前取り組んだ」ということを主張する場面に出会いました。提案した方には、経験がありません。すでにある経験によって否定されれば、次の意見を出しても否定をされるように感じます。
結局、うまくいきませんでした。そういう老舗の方に話をしてもらう・参加してもらうのは難しいのですが、こういったワークショップの事前の素地として、自慢大会にならない程度に過去のうまくいかなかった例を共有できる場面があると経験の差を緩やかにできるかもしれません。
この場合は、参加してもらう難しさに向き合う必要が出てきますが。
コロナ禍でさらに離れる
コロナ禍は、接触の禁止を強要されて、ワークショップが停滞しました。ビデオミーティングにおいて、ワークショップの良さを遺憾なく発揮するというのは難しく、「遠いな」と感じました。
しかしながら、ワークショップが新しい発展につながる可能性は秘めています。その要素を使うためにも、「オフィスに戻れ」を主張する経営者がいると理解しています。
「リモートワーク、テレワークでもいいのでは」という意見も聞かれます。こなす場面と創り合う場面を分けてとらえる必要性がビジネス系でも区別できると、新しい発展につなげられます。
気持ちではなく、そもそも情報しか求めていない?
情報だけを求めている場面において、ワークショップはまどろっこしい要素があります。ピットインして時間をかけるよりも、必要な情報にさっとアクセスして完了したという気持ちは理解できます。
スピードが早い場面もあり、場面場面によって必要な要素を理解しておく必要があるでしょう。ワークショップ好きの方にとって、ワークショップも万能ではないというは改めて強調するべき点と考えます。
まとめとして
ワークショップがビジネス系で流行らない理由を考えてみました。裏を返せばこういう点に気をつけていけば、もう少しワークショップやワークショップの要素がビジネス系でも取り入れられるでしょう。ビジネス系でも研修などでは、その効果も高い場面が多いです。適用場面や要素の参考になるとうれしいです。
【編集後記】
今年は例年よりも梅雨入りが早いと噂されています。沖縄は梅雨とGWがかすりそうですね。
【運動記録】
ストレッチ○ ジム○
【子育て日記(5歳・2歳)】
子ども用のプールバッグを買いに。かわいいものもあります。下の子は、好みに合いそうなものを予想しながら見ておきます。