外部から依頼をいただくセミナーの場合において、どういう軸において評価をされるかは、よく確認することです。とても当たり前のことかもしれませんが、その主催者がどのような意図でそのセミナーを行っていて講師を評価しているかは、聞いておくと内容制作の参考にできます。
事前の専門知識
その分野の専門知識を持っている方という評価軸がまずはあります。
すでにテーマがあって、そのテーマについて話ができる人という探し方をしている主催者の方がいます。その意味では、選ばれれば期待された専門知識を伝えられればうまくいくと考えられます。
なお、専門知識自体があるかどうかは、なかなか分かってもらいにくいところです。関連するトピックについて少し書いてみる、キーワードで探してもらえそうな点について表現しておくということが見つけてもらう一つの方法です。
「Googleでの検索が当てにならない」というのは、探す方も探される方もそうなのですが、結局検索エンジンかSNSを使ってでしか相手にはたどり着けません。それ以外だと人づての紹介でしょうか。
集客なのか
集客を期待して講師を依頼してくる場合があります。
これは、インフルエンサーの方向けの評価軸です。それか、税務のような特定のトピックで上位にくるような場合というのは、ニッチでも集客ができると判断できます。
仮にそういった集客力がないと自分で感じた場合でも、宣伝をして少しでも当日の集客に良い影響を与えられるように努力するといいです。
集客は小さいことの積み重ねです。主催者の目標が集客であれば、それに役立つことはできる範囲で行っておくといいです。
再生数なのか
ビデオ提供などの場合は、再生数を伸ばしたいというリクエストをもらうことがあります。この場合には、再生数が伸びやすいもの、繰り返し見てもらいたいものを入れるように心がけています。
YouTubeの再生の場合には、動画の再生率を見ることができます。勘所がある人はかまいませんが、ない人や分析をかけたい人は、こういった分析はなんとなく役に立ちます。
内容の独自性なのか
内容の独自性を求めている場合には、まずは依頼をしてもらう時点で答えが出ている点があります。
誰でも良いのに独自性を求められるというのは、矛盾しているからです。独自色が出せるということを当初から出しているからこそ依頼が来る案件でしょう。
その上で気にするのは、どこまで独自色を出すかです。
辛い料理を求められる場合でも、ピリリと辛いという程度なのか、舌が火傷するくらいなのかは、聞いておくところです。
過不足なく、狙った程度の刺激を加えられるというのは、講師側の采配で、腕の見せ所でもあります。当たり前であっても、講師の依頼をされた場合には、担当の方にこういった言葉を投げかけて様子を伺うようにしています。
その上で「おまかせ」と言われれば、信用されていると見ることもできます。慣れていない場合は、こちらで言葉を補ってニュアンスを汲み取るようにしています。
内容の分かりやすさなのか
聞いていただく方の、専門度合いを確認しておきましょう。専門外の方に専門の内容を伝えてほしいという場合、内容の分かりやすさを求めていることになります。
といっても、分かりにくい内容を分かりやすく伝えてほしいというオーダーが多いです。
専門家にとっては簡単な内容でも非専門家に難しい内容があるので、そういったときにはできる限り大胆にかみくだくかどうかを決めておきましょう。あまり外れすぎると、専門家から見たときに冷ややかなものを感じるかなと悩む場合もあるので。
しかしながら、専門家の方が感じている以上に噛み砕いた方が、一般的には分かりやすくなることが多いのは、経験上感じます。
これまでの実績
講師歴がある方、あるいは、そのトピックにおいて講師歴がある方を求めている場合があります。
この場合には、セミナーの内容において工夫をするとすれば、自己紹介でその歴を伝えることでしょう。当初に選んでもらうときに、その講師歴があるかどうかを確認されて、主催者の方が「経験あり」と認めてくれるものであれば、依頼をいただくことができます。
依頼を受けた時点で、一定レベルに達していると考えられますので、あとはその内容を伝えることで足りるはずです。
まとめとして
講師経験を重ねる上で、ご依頼いただくときの評価軸をまとめてみました。
複合的な場合もありますし、それ以外の場合もあります。
主催者の方の期待に応えたいと考えれば、評価軸は蛇足でもきちんと確認しておきたいところです。
現在進行系のものも含めて評価軸を確認した上でできる限り質の高いものに仕上げるよう努めています。