税理士ブログのフェーズによる役割の違い:隣と異なってもいい理由

税理士でブログをしている人が一定数います。
私もそのうちのひとりだと考えていますが、人によってその役割が異なっています。

類型的な分類を考えてみます。
それにより、こうあるべきだという考えを固定的に持つよりも、自分なりの意味付けをして出していくのがいいでしょう。

もくじ

新規顧客向け

まだ、商品やサービスの購入がない方を意識した内容です。

新規顧客獲得

自分が経営している税理士事務所を知らない人向けをターゲットとするブログ内容です。

新しい接点を狙うという意味では、SEOも意識している内容かもしれません。
ただし、アクセス数だけを狙うというよりも、対象のお客さんを狙うという方が合っています。

サービスを依頼してくれる人が同じ都道府県にいるべきと考えるなら、そういう対象を狙っていきます。
近畿など、地方がだいたい同じならいいという考えもあります。

地域を意識したキーワードを入れたり、地名を入れたりなどが方向性を具体化してくれます。
その地域のイベントのことを入れたり、必ず近い地名を入れたり、意識できることがあります。

サービスのことについて深掘りをしていく内容になるでしょう。

潜在顧客へのアプローチ

興味を示しているがまだ購入していない人々へのアプローチ。

ブログを続けていれば、少し続けて読んでくれる人が出てきます。
その方の中で、自分が売るサービスや商品を再度紹介するという役割。

逆に、潜在顧客のことをよく知っているのであれば、そういう人たちが購入してくれそうな商品やサービスを作って情報提供していくという考えもできます。

既存顧客向け

顧問契約などある程度の取引先が増えていくと、その人達向けに発信をしている方を見かけます。

顧客とのコミュニケーション・関係強化

すでに取引がある顧客向けの発信です。
トピックとして既存の内容とかぶっていたとしても、仮想の打ち合わせやコンサルティングをしたと想定して、問に対して自分の考え方を発信していきます。

インボイス制度など、SEOとして新しい論点がなかったとしても、取引先が読んで参考にしてくれるという意識を持つと、切り口や語り口を整えて、意味付けをした記事が書けます。

こういう記事を多くすれば、その関係性を深化していけます。

逆に、ブログは新規向けと割り切ってこの点を少なくしている方もいますね。

既存顧客への告知

新しいサービスやキャンペーンの情報を、既存の顧客向けを意識して告知する役割でブログを書くこともできます。

秘密保持の関係上、大っぴらには書きにくくても、他の既存顧客が興味を持ちそうなプロジェクトの片鱗を少しだけ見せることで、相談をしてもらえることがあります。

顧客の再活性化

一時的にサービスを利用していない顧客を再び活動的にする方針で書くこともできます。

サービスをいったん吟味した顧客は、税理士がサービス内容を変えたとしても、再度吟味してくれるわけではありません。
変わった内容を積極的に告知することで、以前断念した検討を再度行ってくれるかもしれません。

ブランド力関連

ブランド認知の向上

顧客獲得よりも、ブランド力を上げる意識の方もいます。
税理士の個人名を広めて、指名での講演につなげていることがあります。

現在の直接的な受注を狙わないくても、将来的な価値提供を見据えてブログを書くことです。
YouTubeなどと合わせることも最近では多いですね。

新規開業をした後であっても、長い目で見てタネを蒔くべき点です。
余裕がなければ、ひとまずばっさり切るという考えもできますが。

競合との差別化価値提案の強化

業界の人以外から見れば、超強豪もそれ以外も、その差を意外と認識されないものです。

業界の人向けだけに仕事を取っているわけではないでしょうから、他業界の人に向けて分かりやすく、業界標準とどう違うかを改めて伝えることで、競合との差別化を図れるでしょう。

ひとつの問い合わせがあれば、類似のことで悩んでいる人がいるはずです。
プライバシーや機密保持を意識しつつも、悩んでいる人に向けて価値提案ができることを伝えておく役割をブログなどに持たせることができるでしょう。

マーケティング・告知

直接的な受注ではなく、今後を見据えた発信という意味合いを持たせている方がいます。

フィードバックの収集

顧客からの意見や感想を収集し、サービス改善の参考とするという意味合いを見据えた記事も書けます。
ただし、ブログは積極的な双方向のやり取りから外れることが多いため、SNSやYouTubeなどとの組み合わせ、問いかけの母艦として書く方が効果的です。

イベントやセミナーの宣伝

既存顧客や新規顧客の両方にかぶるかもしれませんが、イベントやセミナーの告知という意味合いで、それ用のブログ記事を必ず書いておきたいです。

単発でのサービス提供であれば、それも見据えた内容ですね。

人によって目的は異なっている

見られているか、語り口がきれいかなど、上を見るとキリがありません。
モチベーションを下げてしまうことだってあります。

しかし、ブログ作成をするなら、その目的に沿っているかを意識して続けたいものです。
意味付けをすることで、同じアウトプットでも自分にとっての価値を高められます。

また、税理士でも動画提供の価値が高まっていますが、まだまだ文章でまとまって理解することとの相性がいい分野です。

これらを見据えて、全方向的な発信の位置づけや見直しに使ってもらえるとうれしいです。

もくじ